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ライティング編 光の硬さ・柔らかさを自在に調整するには

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 ストロボを使った撮影で、光の硬さややわらかさを調整したい場合はトレーシングペーパーを使い、ストロボの距離を変えることが有効だ。
 

■トレペにストロボを近づければ光は硬く、離せばやわらかくなる

トレペにストロボを近づけて撮影

トレペとストロボの距離が近いと、強く硬い光になる。光が回り込みにくく、影もはっきりと出る。

トレペからストロボを離して撮影

トレペからストロボを離すと、光はやわらかくなり、回り込みやすくなる。影の出方もソフトな印象だ。
 
 
 
 
ストロボとトレペを使った撮影風景。これはストロボを近づけて硬い光を演出している様子。

 ストロボの光を直接被写体に当てると、光が強すぎて影が目立つ写真になることがある。光をやわらかくするために、ストロボの発光部分に簡単に取り付けることができる「バンク」とよばれる器具がある。バンクはコンパクトで持ち運びも楽だが、発光部分と、バンクの被写体側に張るディフューザーとの距離が一定のため、光の硬さややわらかさの調節は難しい。
 冬の日射しのような弱くやわらかい光、夏の強く硬い日差しのような光。このような違いを表現したい場合は、大きなトレーシングペーパー(トレペ)が活躍する。大きなトレペをスタンドに固定したり、天井にテープで留めて垂らすなどして設置する。そのトレペを通して被写体にストロボ光を当てる。トレペをディフューザーとして使うわけだが、その際、ストロボとトレペの距離が近いと、左上の作例のように影がはっきり強く出る。逆にトレペとストロボとの距離をとると、右上の作例のように影は弱くやわらかくなり、光が回り込むようになる。このように、ストロボとトレペの距離を変えることで、光の質をフレキシブルに変えることができる。またトレペを使うことで比較的大きな面光源を得られることもメリットだ。
 ストロボとトレペとの距離だけでなく、そこにストロボの角度(光源の角度によって変わる被写体の見え方)を組み合わせると、季節感を意識した光の表現が可能になる。夏のような光で撮りたい場合は、ストロボをトレペに近づけつつ、なるべくストロボの角度を上げればいい。冬のような光で撮りたい場合は、ストロボをトレペから離して影を弱くしつつ、ストロボの角度を下げれば、長く弱い影が生じて冬の光になる。物撮りをする時はこのようなことにも十分にこだわりたいたものだ。
 なお、トレペ使用時は設置が大がかりになるので、広さに余裕のもてる場所で行いたい。またストロボをトレペのごく間近に設置するのは発火の可能性があるので、絶対にしないこと。
 

写真・文:関川真佐夫


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