トップ  >  アサヒカメラ  >  テクニック

ライティング編 モノブロックストロボによる光の演出

このエントリーをはてなブックマークに追加

バックナンバー | アサヒカメラ.netトップへ

 プロ用ストロボをコンパクトにした「モノブロックストロボ」を使って、光量や光質を自由自在にコントロールしてみよう。
 

■モノブロックストロボを使った作例

モノブロックストロボを直接照射

モノブロックストロボにフード状のリフレクターを装着して被写体に直接照射。コントラストが強く影がハッキリ出るライティングになる。

バンクを装着して照射

モノブロックストロボに、バンクと呼ばれるディフューザーを装着。光がやわらぎ、回り込むため、影が弱まり、ソフトな印象になる。
 
 自然光だけの撮影で物撮りを続けていると、どうしても思うように表現しきれず、限界に行き当たることだろう。そこで次のステップとして撮影用の人工光源を使ってみよう。手軽なところでは、光源ランプやクリップオンストロボがあるが、ここでは「モノブロックストロボ」を紹介する。モノブロックストロボは、決して安い製品ではないし、使いこなすのに難しい印象があるが、各種のアクセサリーを使えば多彩な光を作り出せることや、光の条件をいつでも再現できることがメリットだ。
 AC電源を利用するプロ用ストロボは、一般的には電源部(ジェネレーター)と発光部(ヘッド)がわかれているものが主流だ。モノブロックストロボは、電源部と発光部が一体になっていて可搬性に優れているのが特徴。数社から製品が発売されており、200W、300W、400Wなどのものがある。もちろん調光可能で、最大光量の1/16、1/32、1/64などまで段階的に減光できる。クリップオンストロボに似たイメージだが、カメラのアクセサリーシューに取り付けることはできず、もちろんTTLは利用できないので別途単体露出計が必要になる。またカメラとは通常「シンクロコード」と呼ばれる専用コードで接続する(外部ストロボ用のシンクロ接点がないカメラでは利用できないことがある)。なお電源として100V(のコンセント)が必要だ。クリップオンストロボより使いこなすのは面倒だが、表現の幅は格段に広がる。
 そのモノブロックストロボを使ったバリエーションを掲載した。左上は、モノブロックの光を左斜め後方から直接あてて撮影したカット。立体感は強調されているが、影が強すぎる。発光量が大きいストロボは、光をいかにやわらかくするかが使いこなしのポイントだ。手軽な方法としては「バンク」とよばれる光を拡散する機材を使う。ストロボ本体に簡単に取り付けることができ、光の当たりがやわらかくなる。それで撮影したものが右上だ。バンクはコンパクトだし持ち運びも楽だが、発光部とディフューズ面との距離が一定なので、光のやわらかさも一定だ。そのため、冬の日射しのようにやわらかくしたり、夏の日差しのように硬くしたりすることができない。そういった演出を行いたい場合は左下のように、大きなトレーシングペーパー(トレペ)を使うといい。ストロボをトレペに近づければ光が硬くなるし、ストロボとトレペの距離を広げればやわらかくなる。この使い方については改めて取り上げる。さらに、右下のようにストロボの光源をむき出しにした状態で、被写体に対して90度外側に向けると、太陽の直射光のようになる。
 モノブロックストロボでは、使い方やアイディア次第でさまざまな光を演出できる。設定を同じにすれば、同じ条件の光を作り出せるので、商品写真をたくさん撮る場合にも役立つ。物撮りだけでなくポートレートにも利用もとても便利だ。

トレーシングペーパー越しに照射

バンクを使った場合と同じような効果がある。ただし、この方法はストロボとトレペの距離を自由に調整できるため、光の硬さの調整もしやすい。

被写体から90度外に向けた状態で照射

ストロボのリフレクターを外し、発光部を裸にした状態で、被写体に対して90度外側に向けて照射すると、太陽の直接光のような仕上がりになる。
 

写真・文:関川真佐夫


このエントリーをはてなブックマークに追加