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ライティング編 光源の角度によって変わる被写体の見え方

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 ストロボや電球を使って撮影する際、それら光源の角度にも注意を払いたい。
被写体を立体的に見せつつ、色やディテールを再現する最適な角度を探しだそう。
 

■見せたいポイントによって光源の角度を選ぶ

約10度の位置に光源を設置

被写体に対して約10度の高さにストロボを設置。サイドからの光で強い影が生じるのが特徴だ。影が強いため、色やディテールがわかりにくい部分がある。

約45度の位置に光源を設置

被写体に対して約45度の高さにストロボを設置。影はやや強めだがそのぶん立体感はある。光もある程度回っているので、この条件でレフ板を使えばきれいに仕上がるだろう。
 
 光源の角度と被写体の見え方について見てみよう。作例を撮るのに使用した光源は、モノブロックストロボに「バンク」と呼ばれるフード状の機材を取り付けたものだ。バンクの被写体側の面にはディフューザーが張られていてやわらかい光(拡散光)を放つ。この光源を水平近くから次第に高さを上げていく。被写体(この場合は色鉛筆と鉛筆立て)から見れば、光源が次第に高くなっていくという状況だ。
 上に挙げた作例は端的に両者の違いがわかるもので、左は被写体から見て約10度の高さから、右は約45度の高さから光を当てている。光源を10度の高さに配置した場合の作例は、鉛筆立ての影が強く、色鉛筆も右半分が影になっていて被写体の色を確認しにくいものさえある。太陽の位置が低い冬の日射しのような印象だ。対して光源を45度の高さに配置した場合の作例は、色鉛筆の立体感もあるし、各色鉛筆の色もおおよそわかる。これはレフ板を使っていないが、右側にレフをたてて影を明るく起こせば、色もかなり正確にわかるだろう。45度という光源の角度は、被写体の立体感と色の表現を両立させやすい。よく使われる照明角度だ。
 他のバリエーションも紹介しよう。下左は、光源を「ほぼ真上」に配置した場合だ。スタンドの位置の関係で完全に真上にすることはできないが、被写体から見て約80度くらいの角度だろうか。これだと鉛筆立ての下に影は生じるが、色鉛筆の影はほとんどない。フラットに光が回り、色も確認しやすい。この角度も比較的よく使われる。さらに下右は、光源を完全に真上に配置した場合だ。これはストロボを被写体の真上に配置する「ブーム」というプロ用機材を使った撮影法で、まったく影のないフラットな写真を撮ることができる。製品の細部まで伝える必要があるカタログ写真などでよく使われる照明方法た。ただ、立体感が乏しくなるので、実際の商品撮影ではさらにいくつか光源を加えるなどして、立体感を出していることも付け加えておこう。
 料理の撮影をする時に、逆光で撮ると立体感がわかり、順光で撮ると正確な色見がわかりやすいということを「立体感を活かしてケーキを撮る」で述べたが、光源の角度によっても被写体の見え方が大きく変化することも理解しておきたい。

約80度の位置に光源を設置

ほぼ真上に近い約80度に光源を設置。色鉛筆の影があまり出ず、色鉛筆の色やディテールを確認しやすい。光源をこのくらいに位置させるのも比較的よく使われる。

被写体の真上に光源を設置

「ブーム」を使って被写体の真上に光源を設置。影は極端に少なく立体感に乏しくなる。説明的な写真になるが、細部を見せたいカタログ写真には向いた照明方法だ。

写真・文:関川真佐夫


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