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表現編 光りものを上品に撮るには

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 金属製のものや光沢のある被写体では、写り込みを上手に処理したい。
写り込みが生じる位置に大きな白い紙などを置いて工夫しよう。
 

■白い紙を使い「白を写り込ませる」ことで写り込みを整理する

写り込みの処理なし

写り込みの処理をせずに撮ると、このようにハイライトとシャドウのコントラストの強い被写体になる。臨場感はあるが野暮ったい印象だ。
 

写り込みの処理あり

写り込みが生じる位置に白い紙(レフ板)を配置して撮影したもの。スプーンやナイフに白い紙の「白」が写り込むことで、写り込みが整理され、上品さを演出できる。
 
 金属に代表される「光りもの」と言われる被写体を撮るポイントは、写り込みをいかに処理するかだ。被写体の周囲が盛大に写り込んでしまうと臨場感はあっても、光りものの「上品さ」「上質さ」が失われてしまう。難易度の高い撮影とされているが、要点を押さえればきれいに仕上げることが可能だ。写り込みを避けるには、まず、光の入射角と反射角を理解することが必要だ。そして写り込むものが反射するその先で何らかの対処をすればいい。
 鏡を撮影することを想像してみよう。鏡の前にまっすぐに立って撮影すれば、当然撮影者自身が鏡に写ってしまう。それを防ぐには鏡に対して斜めの角度から撮ればいい。そうすれば撮影者は写り込まない。このとき鏡に映るのは、鏡に入ってくる入射角(撮影角度)と同じ反射角の先にあるものだ(図1のa)。
 図1の「a」の場所にあるものが写るのだから、このaの場所に大きな白い紙や板などを置けば“きれいな写り込み”になるはずだ。作例を見てほしい。被写体の反対側(奥側)に白いレフを置くだけで写りこみはきれい処理できる。つまりは、ごちゃごちゃした周囲の代わりに「白を写り込ませる」という考え方だ。
 ただ難しいのは曲面が多いスプーンでは、室内の天井や壁などが幅広く写り込んでしまう。それを防ぐには、下右の撮影状況のように、白い紙をスプーン直近で覆うように配置すればよい。また白い紙は大きいほど広範囲の写り込みを回避できる。
 ここでは白い紙を使ったが、代わりに手軽に小物を撮影する用途に向けて各メーカーから販売されている、撮影ボックスなどを利用してもいいだろう。

 
 
 
 
 
 

図1 光の入射角と反射角

被写体の周囲が反射したものが写り込み。被写体に対するカメラの角度(入射角)と同じ反射角の先にある「a」の位置にあるものが写り込む。

白い紙を被写体に写り込ませる

あえて「白」を写り込ませて写り込みを整理する。スプーンなどの曲面の多い被写体は広い周囲が写り込むので、被写体とレンズの間近に白い紙をセットするのがコツ。

写真・文:関川真佐夫


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