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表現編 黒い被写体を黒く写すには

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 カメラの内蔵露出計まかせで撮ると、黒い被写体もグレーに写る。
締まった黒を表現するには、マイナスの露出補正が必要だ。
 

■被写体に応じてマイナス1.0~2.0EV程度の露出補正を行おう

露出補正なしで撮影

カメラの内蔵露出計が示した値で撮ったもの。本来黒であるはずの器や背景がグレーに写ってしまい、被写体の質感や重量感が伝わりにくい仕上がりとなった。

マイナス2.0EV露出補正して撮影

マイナス2.0EV分露出補正をして撮影。多少シャドウが潰れかかっている部分もあるが、こちらのほうが器の色を正確に再現しているし、器の雰囲気もよく伝わってくる。
 
 黒い被写体が黒く写らずグレーに写る。カメラの内蔵露出計まかせで撮ると、そのような結果になりやすい。「白い被写体を白く写すには」では、白を表現するために、露出をプラス補正して撮る、と解説した。黒い被写体の場合は,その逆でマイナスの露出補正をすればよい。マイナスの露出補正によって黒い被写体を黒く写すことができる。その理由は、「白い被写体を白く写すには」でも述べたように、内蔵露出計が反射率18%のグレーを明るさの基準としているため、黒もグレーと判断されてしまうからだ。
 黒っぽい被写体、特に背景も含めて全面が黒や黒っぽい色で埋め尽くされる場合は特にグレーになりやすい。黒い被写体を黒く写すには、カメラの内蔵露出計が示す値よりもマイナスの露出補正を行う。どの程度の露出補正が必要かというのは、被写体やその背景の黒さや暗さにもよるので一概に言うことはできないが、さしあたりマイナス2.0EVを規準に、その前後1.0EV程度まで段階露出を行って撮ってみる。その中から、被写体の雰囲気がよく表れているものを選択すればいいだろう。デジタルカメラで撮影する場合は、撮影した画像を背面液晶やヒストグラムで確認しながら露出補正を行うと効率的だ。

マイナス1.0EV露出補正して撮影

内蔵露出計が示した値からマイナス1.0EV露出補正したもの。シャドウを潰さずに黒い部分の階調も再現したいなら、この程度の露出補正でもいい。

マイナス3.0EV露出補正して撮影

マイナス3.0EVと極端な露出補正を行ったもの。シャドウ階調の潰れる部分も多いが、雰囲気重視の写真になる。シャドウを強調した「ローキー写真」と言えるだろう。

写真・文:関川真佐夫


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