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ピント編 ピント位置の選び方(人物)

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 ピントをきちんと合わせることはどんな被写体でも重要だが、特にクローズアップして撮ることの多い人物写真や花や静物のマクロ写真では、ピントを合わせる場所に細心の注意を払いたい。ピントの合わせる場所によって写真のテーマが変わってしまうからだ。
 

■顔(視線)の向きと空間による構図の安定

手前の目にピントを合わせた作例

ピントの合った手前の目に鑑賞者の視線を素直に誘導する、自然な印象の写真だ。
 

奥の目にピントを合わせた作例

一見するとピンぼけ写真。よほどの意図がない限り、失敗写真に分類されるだろう。
 
 作例では人物写真を取り上げているが、作例の上と下とでは、どちらが自然に感じるだろうか。作例上は、手前の目にピントが合っている写真、作例下は奥の目にピントが合っている写真だ。答えは言わずもがな、手前の目にピントが合っている写真である。
 奥の目にピントが合っている写真は一見するとピンぼけしたようにも思えてしまうし、写真の表現意図もわかりにくい。このような写真を撮る場合は、作画意図をよほど練っておかないと、単なる失敗写真ととらえられてしまう。
 写真を撮るときピントを合わせることは重要だが、どこに合わせるかまで細心の注意を払いたい。ピントを合わせるポイントをひと言で言うのは難しいが、例えば人の顔であれば手前の目に合わせる、花のマクロ写真なら、めしべの先とか花弁の中心などだろう。一般的に人の目は近距離のものに視線が行くことが多いので、カメラから近く目立つ被写体や部分にピントを合わせると落ち着いた写真になる。
 オートフォーカスでピントを合わせると中央にピントが来ることが多いが、その場合はフォーカスポイントをずらすとか、またフォーカスロックをするなどして意図した部分にピントを合わせよう。カメラと被写体の距離が近いほどピントの合う範囲は狭くなる(被写界深度が浅くなる)ので、丁寧なピント調整が必要だ。
 他に気をつけたいのが絞りとレンズの焦点距離だ。絞りを開けるほど被写界深度は浅くなるので、よりシビアなピント調整が求められる。また、焦点距離の長いレンズ(いわゆる望遠レンズ)での撮影も、被写体がクローズアップされるため、やはりピント調整はシビアになる。
 ポートレート写真では、被写体を浮き立たせるために「望遠レンズ+浅い絞り」という、ピント合わせのより難しい条件が選ばれることも多い。そのような場合は、三脚を使用してカメラ本体のふらつきを抑えたり、AFの合焦後にマニュアルで少しずつピントをずらして撮るなど、失敗を防ぐ工夫をしたい。

 作例写真のメイキングムービー
 画像をクリックすると動画が再生されます。

写真・文:関川真佐夫
モデル:坂本茉奈美 (magna)


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