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夏空の下、ローカル線をめぐって房総半島へ
講師:米屋こうじ

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 梅雨が明けて、いよいよ夏本番となりました。夏の鉄道風景を求めて向かったのは千葉県の房総半島。半島の海岸沿いを走るJR内房線・外房線から、内陸部へ分け入ってゆくローカル線が複数通っています。木更津~上総亀山を結ぶJRの「久留里線」、五井~上総中野を結ぶ地方私鉄の「小湊鐵道」、上総中野で小湊鐵道と接続し、外房線の大原を結ぶ、第三セクターの「いすみ鉄道」、この三路線です。
 都心から短時間で到達することができるのですが、沿線には緑に囲まれた山々や、田んぼのなかをのんびり走る風景が広がっています。自然豊かでローカル色の濃い作品を得られることが期待できます。
 今回はタムロンの望遠ズームレンズ、SP150-600mm F5-6.3 Di VC USD(Model A011)のみを使用、ボディーはフルサイズとAPS-Cの2台を使っています。
 
 
 
1. 鬱蒼とした、夏の濃い緑に囲まれているかのようだ。短いトンネルへ入った久留里線の列車をテレ端の600mmで撮影。超望遠の圧縮効果が効いた一枚となった。
キヤノンEOS 7D MarkII、タムロンSP150-600mm F5-6.3 Di VC USD、600mm(35mm判換算 930mm相当)、1/250秒、F8、ISO800、WB:太陽光
 
 

久留里線で“朝練”を

 
 久留里線は内房線の木更津から上総亀山を結んでいます。沿線の中心地となる久留里から先が、山あいへ入る好ロケーションとなっていますので、ぜひとも久留里~上総亀山で撮影したいところです。
 しかし日中の時間帯は、ほとんどの列車が木更津~久留里で折り返すダイヤ設定となっています。そのため久留里~上総亀山間での撮影は、上総亀山までの本数が多い早朝の時間帯が狙い目となります。まずは早起きして、久留里線と目指しました。
 鉄道写真を楽しむ愛好者の間では、早朝に撮影することを“朝練”と呼ばれていますが、久留里線ではまさにこの“朝練”となりました。  早起きしての朝練は正解でした。夏の日中はトップライトとなり、光線を活かすことが難しいのですが、早朝の斜光線が緑を輝かせ、夏の朝の瑞々しさをとらえることができました。
 
 
 
2.まだ低い太陽がレールや列車の屋根を輝かせていた。周囲の余計な情報をなるべくカット、車両も途中でフレームアウトした大胆なアングルで構成した。
キヤノンEOS 7D MarkII、タムロンSP150-600mm F5-6.3 Di VC USD、250mm(35mm判換算 388mm相当)、1/500秒、F8、ISO800、WB:太陽光
 
 
 
3.逆光側の線路に陽射しが当たると、日中のフラットな光線では見られない表情が見られた。露出オーバーにならないように注意した。
キヤノンEOS 7D MarkII、タムロンSP150-600mm F5-6.3 Di VC USD、165mm(35mm判換算 256mm相当)、1/800秒、F8、ISO800、WB:太陽光
 
 
 
4.早朝の撮影を行った跨線橋の一部に、細い古レールが使用されていた。鈍く輝く久留里線の線路を背景にして、アップで撮影した。
キヤノンEOS 7D MarkII、タムロンSP150-600mm F5-6.3 Di VC USD、173mm(35mm判換算 268mm相当)、1/640秒、F5、ISO800、WB:太陽光
 
5.久留里城趾公園から眼下を望むと、夏祭りの御神輿が田んぼのなかを練り歩いていた。列車とは絡まなかったのだが、民家を入れて一枚撮影。
キヤノンEOS 7D MarkII、タムロンSP150-600mm F5-6.3 Di VC USD、500mm(35mm判換算 775mm相当)、1/1250秒、F9、ISO800、WB:太陽光
 
 
 
6.久留里城址公園から撮影した久留里線の列車。テレ端の600mmにして、画面構成に注意を払って撮影した。
キヤノンEOS 6D、タムロンSP150-600mm F5-6.3 Di VC USD、600mm、1/640秒、F11、ISO400、WB:AWB
 
 
 今回、使用レンズは1本のみですが、ボディーはキヤノンEOS7D MarkIIに加え、フルサイズのEOS6Dを併用しました。APS-Cとフルサイズという2種の異なったセンサーサイズを使い分けることで、フルサイズ換算の焦点距離のワイド端を6Dの150mmに広げて、テレ端は7D MarkIIの930mmとなります。
 「望遠レンズのみで、いかにして絵柄のバリエーションをつくり出すことができるのか」を念頭に置いての撮影です。久留里線では望遠レンズの基本である圧縮効果を活かした写真を念頭に撮影しました。
 
 
 
7.跨線橋の上から600mmで平山駅を撮影すると、勾配(坂道)でタテに変化する線路の様子を一緒に駅の乗降風景を撮影することができた。金網越しの撮影なので、画質が若干甘くなった。
キヤノンEOS 6D、タムロンSP150-600mm F5-6.3 Di VC USD、600mm、1/250秒、F8、ISO400、WB:太陽光
 
 
 
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素早くストレスないピント合わせのために

鉄道風景の撮影を確実なものにする超音波モーター

 
 
 
 
 タムロンの超望遠ズームレンズ、SP 150-600mm F/5-6.3 Di VC USD(Model A011)に採用されている超音波モーター「USD(Ultrasonic Silent Drive)」に注目。素早いピント合わせと、これぞというシャッターチャンスのための安定したオートフォーカスを可能にする機構です。
 その駆動原理は、円環状の金属リングに高い周波数の超音波振動を発生させ、その振動エネルギーを金属リングの円周方向(回転方向)に進むエネルギーに変換させるところにあります。この回転力がフォーカス用レンズを動かし、ピントを合わせます。
 移動する被写体をスムースに追い続けること。超音波モーター「USD(Ultrasonic Silent Drive)」が約束する「すぐれた静粛性、高トルク、高レスポンス」が、鉄道風景の撮影を確実なものにするのです。
 なお、150-600mmというスペックの超望遠ズームレンズは、いまでは鉄道風景の撮影でもかなり普及していますが、600mmという超望遠の世界に手ブレ補正機構を搭載し、手持ち撮影可能なサイズの超望遠ズームレンズを初めて実現するためにタムロンが先陣を切って開発したものなのです。
 
 
テレ端の600mmという数字を思えば、小型軽量で取り回しが良い。
キヤノンEOS 6D、タムロンSP150-600mm F5-6.3 Di VC USD、600mm、1/250秒、F9、ISO400、WB:太陽光
流し撮りに対応した手ブレ補正機構のVCが、ガッチリとサポートしてくれた。
キヤノンEOS 7D MarkII、タムロンSP150-600mm F5-6.3 Di VC USD、400mm(35mm判換算 620mm相当)、1/40秒、F14、ISO100、WB:太陽光
 
 
超音波モーターは、超音波の振動を回転力に変換する駆動原理のモーターで、極めて静粛性に優れ、高トルク・高レスポンスでスピーディなピント合わせを可能する。また、フルタイムマニュアルを実現し、オートフォーカスから、フォーカススイッチを切り替えることなくマニュアルフォーカスによるピントの微調整ができる。
 
 
鉄道風景写真講座鉄道風景写真講座
 
米屋こうじ
1968年山形県天童市生まれ。東京工芸大学写真科卒業。安達洋次郎・真島満秀に師事の後フリーランスとなる。鉄道と人の結びつきをテーマに日本と世界の 鉄道を撮影。著書に『I LOVE TRAIN~アジア・レイル・ライフ』(ころから)『木造駅舎の旅』(INFASパブリケーションズ)『ニッポン鉄道遺産』(斉木実氏と共著、交通新聞社)など。日本写真家協会 (JPS)会員。
 
 
 

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