森口博子さん 自分の気持ちを写すカメラの存在 |AERA dot. (アエラドット)

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森口博子さん 自分の気持ちを写すカメラの存在

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1993年の発売とほぼ同時に手に入れた、キヤノンEOSKiss。レンズは、28~56ミリF3.5~5.6。撮影はデータを記録して、かなり凝ったという。93年にリリースされたアルバム「あした元気になあれ」には、レンズ付きフィルム「写ルンです」で自ら撮影した雲と空の写真が使用されている

1993年の発売とほぼ同時に手に入れた、キヤノンEOSKiss。レンズは、28~56ミリF3.5~5.6。撮影はデータを記録して、かなり凝ったという。93年にリリースされたアルバム「あした元気になあれ」には、レンズ付きフィルム「写ルンです」で自ら撮影した雲と空の写真が使用されている

グアムのホテルのベランダから撮影された夕景。沈む前の夕日が、わき上がる雲と穏やかな海面に筋になって映り込み、淡く美しい色彩を放っている。見ていて気持ちのいい写真だ

グアムのホテルのベランダから撮影された夕景。沈む前の夕日が、わき上がる雲と穏やかな海面に筋になって映り込み、淡く美しい色彩を放っている。見ていて気持ちのいい写真だ

ハワイでプールに花を浮かべて撮影。揺らめきなど水の表情を描写するためスローシャッターでとらえられている

ハワイでプールに花を浮かべて撮影。揺らめきなど水の表情を描写するためスローシャッターでとらえられている

――以前から写真がお好きだそうですね。

 芸能界に入るとき、いろいろなオーディションを受けたんですが、そのときに提出する履歴書の写真を何枚も何枚も撮りました。コンパクトカメラで姉が撮ってくれたんですが、インパクトがあるように花を横に置いたり、ぬいぐるみと一緒だったりと、ずいぶん凝りました。それで〝奇跡の一枚〟が撮れたらうれしくて。そのころからですね、写真というものに目がいくようになったのは。その後、10代後半には被写体というか、撮られる側としての仕事も増えていって、プロのカメラマンの仕事を目の当たりにして興味津々。

――実際に自分で撮り始めたのは?

 きっかけは全国ツアーの帰りに、新幹線の車窓から見た夕日がすごくきれいで感動してしまって。すぐにそのとき持っていたコンパクトカメラで撮影したんですが、現像してみたら全然撮れてなくて、それがショックで、それからちゃんと残したいと思ったんですね。

 初めて自分で買った一眼レフが、このキヤノンEOSKissです。1993年くらいでしたね。それからはどこの現場に行くにもカメラを持っていって、雲に夢中。移動のときの飛行機内でももう撮りまくりで、眠くてもそれどころじゃない。空が、私を眠らせてくれなかった(笑)。たくさん撮りましたよー。もちろんデジタルじゃないから、フィルムをチェンジしなければいけないんだけど、そのあいだにも雲の形が変わっていくから大変!感動したり焦ったり撮影したり。心が忙しい、あわただしい撮影でしたね。

――かなり凝っていたとか?

 そうですね。まずシャッターを切ったら、そのときの絞り値やシャッタースピードをちゃんとメモして、データを蓄積していました。まるで写真学校の生徒みたいですね(笑)。それで「あぁ、こうすればキレイにボケるんだ」なんてニヤニヤしていました。そのころはお花や化粧品などブツ撮りに凝ってましたね。照明もホテルの間接照明を使って工夫したり、レースのカーテン越しやレンズの前にラップを貼ったりと、まるで商品カタログみたいな写真をめざしていました。グアムに行ったときにはパラセーリングをして、空から撮影したこともあります。飛行機とは高さが全然違うので、迫力のある写真が撮れました。私、そのころゴルフにもハマっていたんですが、ハワイでは写真が撮りたくて、ゴルフのお誘いを断って、カメラを持ってウロウロしていました(笑)。雲やお花など自然の風景が好きで、三好和義さんの写真集をずっと見ていたこともあります。自然の美しさって、一期一会というか、刹那(せつな)的だと思うんですね。人生とリンクします。空の風景も一瞬ごとに変化していくし、花も毎日表情が変わります。

――写真を撮ることが好きだと、撮られる側としても見方が変わるのではないですか。

 やはり、女性を美しくみせてくれる柔らかい照明だと気分も上がってイイ表情に。でも硬いと残念な気分に(笑)。写真は、メンタルな面がすごく出ると思うんですよ。10秒前と10秒後では表情も変わる。だからハッピーなスイッチが入りやすいように、撮影中はいつもいいことを考えるようにしています。心のコンディションはうそをつけませんから。写真も生き物だと思うんですよ。自分で撮るときも、疲れすぎていると、カメラを手にすることもありません。ハッピーなときやおセンチなときは積極的になります。カメラは自分の気持ちを写してくれるんです。デジタルカメラは今ファンクラブ用のものしかないんですが、この取材を受けて欲しくなってきましたね。

※このインタビューは「アサヒカメラ 2012年7月号」に掲載されたものです


(更新 2014.3.27 )


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プロフィール

森口博子(もりぐち・ひろこ)

1968年福岡市生まれ。85年、アニメ「機動戦士Ζガンダム」のテーマ「水の星へ愛をこめて」で歌手デビュー。91年、劇場版アニメ「機動戦士ガンダムF91」の主題歌「ETERNAL WIND~ほほえみは光る風の中~」がオリコン最高9位のヒットとなる。91~96年、NHK紅白歌合戦出場。歌手としての活動のほかにユーモアあふれる会話でテレビやラジオなど幅広く活躍している。2012年年2月、南野陽子、西村知美と3人組ユニット「Blooming Girls」を結成、CD「Knock!!Knock!!Knock!!」が発売中

オフィシャルブログ http://gree.jp/moriguchi_hiroko/

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