投手では昨年楽天で期待に応えられず1年で退団となったリリーバーのJ.T.シャギワが活躍。日本では31試合のリリーフ登板で防御率5.81だったものが、今季メジャーリーグでは56試合の登板で防御率2.52と安定した投球を見せた。特にシーズン途中の7月にマリナーズからレイズに移籍してからは25試合にリリーフ登板して、5勝1敗、防御率1.90をマークし、チームの3年連続となるプレーオフ進出に貢献した。現在行われているプレーオフのア・リーグ地区シリーズでも既に登板しており、大舞台でのピッチングにも注目が集まる。

 そして、選手ではないが忘れないで欲しいのは、昨季からジャイアンツを指揮している元巨人のゲーブ・キャプラーだ。現役時代はメジャーリーグのレッドソックスなどでプレーして12年間で通算799安打、82本塁打、386打点、77盗塁と立派な成績を残したが、日本時代は38試合の出場で打率.153、3本塁打、6打点と全く活躍できず。同年に巨人に入団した抑え投手のダン・ミセリとともに、チーム低迷の象徴として未だに語られることもある助っ人だった。

 メジャーリーグの監督としてのキャリアは、2018年にフィリーズでスタート。そのシーズンにはブルペンで投球練習をしていない投手をマウンドに送るなど、その手腕にファンなどから疑問が噴出し、チームも2シーズンでナ・リーグ東地区で3位(2018年)、4位(2019年)と結果を残せなかった。その後、2020年から指揮を任されることとなったジャイアンツでは、シーズンが60試合と短縮された昨季こそ、ナ・リーグ西地区で3位とプレーオフ進出を逃したが、今季は下馬評を大きく覆し地区優勝を果たした。

 戦力的には同地区のドジャース、パドレスに見劣りするものの、その中でも投打を機能させ、チームを5年ぶりのプレーオフ進出に導びいた手腕は高く評価されている。10月5日に米メディア「CBS Sports」の記者たちがシーズン後に発表されるMVPなどの各賞を予想した投票では、ナ・リーグの最優秀監督としてキャプラーが最も多くの票を集めている。シーズン終了後、監督としてはMLBで最も栄誉ある賞を受賞するのはほぼ間違いないと見ていいだろう。ちなみに、この投票でのア・リーグのMVPは大谷が最も多くの1位票を集めている。

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今では元助っ人の活躍は当たり前の光景に