3月15日、日本気象協会は「2022年春の花粉飛散予測 第5報」を発表しました。3月に入り、スギ花粉の飛散が一気に加速し、ピークへ突入しています。スギのピークは、大阪・東京ともに3月下旬まで続く見込み。ヒノキ花粉のシーズンもいよいよスタートし、3月9日に福岡、10日に大分で飛散開始しました。
スギ・ヒノキ花粉の飛散状況
2月末から3月第一週にかけて暖かい空気が流れ込みました。関東では3月5日に春一番が吹き、関東の春一番は昨年より約1カ月遅く観測されました。(※2021年は2月4日)
春一番をもたらした低気圧の通過後、一時的に寒気が入り気温が下がりましたが、3月10日以降は東京や名古屋をはじめとした地点で、最高気温が20度くらいまで上がり、一気に飛散量が増えているとみられます。
スギ花粉は、九州から青森までの全国で飛散開始しています。(3月14日時点)主な飛散開始日は、福岡で2月12日、大阪で3月2日、名古屋で3月2日、東京で2月25日、仙台では3月4日となっています。ヒノキ花粉も3月9日に福岡、10日に大分で観測され、一部の地域ではすでに飛散が始まっています。
各地のピーク予測
現在スギ花粉の飛散がピークを迎えており、九州から近畿、東海、関東で1日の飛散量が100個/㎠を超える日も増えてきています。この先も、最高気温が平年より高い日が続く見込みで、花粉症の方にとってはつらい日々がもうしばらく続くでしょう。
大阪では3月5日に花粉飛散のピークに達しており、この先3月下旬まではピークが続く見込みです。東京では、過去3年間に比べて遅い飛散開始となりましたが、飛散開始後は急激に飛散量が増加し、大阪と同じ3月5日にピークに入りました。東京も3月下旬までピークが続くでしょう。
※スギ花粉のピーク定義:50個以上/㎠が2日連続した初日がピーク開始日
2022年シーズンの花粉飛散傾向
例年比で見ると、九州や北陸、関東甲信では例年並み、四国、中国、近畿、東海では例年より少ない見込みです。一方、北海道は例年より非常に多く、東北ではやや多くなるでしょう。
一方、前シーズン比で見ると、九州や東北は地域差が大きく、四国、中国、近畿の飛散量は少なく、東海、北陸、関東甲信、北海道は前シーズンより多い見込みです。九州や北陸、東北、北海道では非常に多く飛ぶ地域もある見込みです。前シーズンは症状が弱かった方も万全な花粉症対策が必要になりそうです。【花粉の種類について】
北海道はシラカバ、その他はスギ・ヒノキ花粉の飛散量を表します。
【飛散量に関する言葉の説明】
非常に多い :前シーズン (例年)の200%以上
多い :前シーズン (例年)の150%以上200%未満
やや多い :前シーズン (例年)の110%以上150%未満
前シーズン(例年)並 :前シーズン (例年)の90%以上110%未満
やや少ない :前シーズン (例年)の70%以上90%未満
少ない :前シーズン (例年)の50%以上70%未満
非常に少ない :前シーズン (例年)の50%未満
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前シーズン :2021年シーズン飛散量
例年 :過去10年(2012~2021年)の平均値
【2021年夏の気象に関する言葉の説明】
平年 :1991~2020年の平均値
花粉の飛散量は前年夏の気象条件が大きく影響します。気温が高く、日照時間が多く、雨の少ない夏は花芽が多く形成され、翌春の飛散量が多くなるといわれています。
日本気象協会では、気象データに加え、前シーズンの花粉飛散結果や今後の気温予測などのデータ、および全国各地の花粉研究会や協力機関からの情報、花芽調査の結果などをふまえて予測しています。花芽調査では、スギやヒノキなどの植物に詳しい「植物のプロ」や、花粉の研究に長年携わっている学識者の協力を得ながら、その土地の気候や地形を知る「気象のプロ」による定点観測を重視しています。
◆日本気象協会の花粉飛散予測とは
日本気象協会は1990年からスギ花粉の飛散予測を発表しています。日本気象協会の花粉飛散予測は、前シーズンの花粉飛散結果や今後の気温予測などの気象データをもとに、全国各地の花粉研究会や協力機関からの情報、花芽の現地調査の結果などをふまえて予測しています。