日本気象協会は、「冬用タイヤ準備前線」を発表。北海道や東北の一部や関東・甲信の内陸部では、10月までに冬用タイヤなどの冬道準備の必要があります。本州の標高の高い峠道を走行する方も、11月前半までに冬用タイヤを装着するなど、早めの冬道準備をお願いします。
「冬用タイヤ準備前線」発表
日本気象協会は25日(火)、ドライバーの皆さまに冬期の道路を安心・安全に運転いただくため、冬用タイヤの準備・交換時期の目安となる「冬用タイヤ準備前線」を発表しました。
北海道や東北の一部では、10月までに冬用タイヤを準備する必要があります。また、関東・甲信の内陸部は冷え込みやすく、降雪はなくても路面凍結に注意が必要です。まだ冬道準備が完了していない場合は、早めの対応をご検討ください。
11月後半になると寒気が南下しやすく、本州の標高の高い峠道では積雪の可能性があります。11月前半までに冬用タイヤを装着するなど、早めの冬道準備をしましょう。
毎年、冬期の道路では、冬用タイヤではない「ノーマルタイヤ」のまま冬道を走行することによるスリップ事故や車両滞留が多く発生しています。
「冬用タイヤ準備前線」は、過去の統計値や気象状況から、2022年の冬用タイヤの適切な交換時期を算出したものです。冬道装備の参考にしてください。
ノーマルタイヤの危険性 雪道では必ず「冬用タイヤ」の装着を
雪道では、タイヤチェーンや冬用タイヤを装着した車での走行が法令で義務付けられています。
ノーマルタイヤで雪道を走行すると、タイヤが低温で固くなり吸着性が失われ、路面を摩擦で捉えることができなくなります。
「滑る」「止まらない」「曲がらない」と、自動車が本来確保しなければならない動きが制御できなくなり、大きな事故につながりかねません。
雪道を時速40kmで走ったときのブレーキを踏んでからクルマが止まるまでの距離は、ノーマルタイヤは冬用タイヤの約1.7倍にもなるという走行実験結果もあります。
また、「タイヤチェーンがあれば冬用タイヤはいらない」わけではありません。タイヤチェーンを巻いたノーマルタイヤは、雪道を前に進むことはできるようになるものの、ブレーキのききが悪く危険です。
事故を起こして後悔しないよう、降雪に備えて早めに冬用タイヤを用意しましょう。
なお、新品の冬用タイヤには慣らし走行が必要です。
購入したばかりのタイヤは表面に少し硬めの薄皮が張られています。これがほぼなくなるまで摩耗(まもう)させることにより、グリップ力が向上し、本来のタイヤの性能を発揮できるようになります。
新品の冬用タイヤを購入したらすぐにタイヤ交換を行い、雪が降る前までに、距離にして100kmくらいを目安に慣らし走行をしましょう。
新品を用意する予定の方は、より早めのタイヤ交換を心がけてください。