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西日本や東日本では、春一番が吹いたと発表があった地域も出てきています。冬が終わり、春の訪れを告げる気象現象である「春一番」ですが、実は北海道には春一番の発表がありません。その理由はいったいなんでしょうか?

そもそも春一番とは?

気象庁によると春一番とは、「立春から春分までの間に、広い範囲で初めて吹く、暖かく(やや)強い南よりの風」のことと定義しています。
その条件は地域によって多少異なります。ここでは関東地方の条件を例にしますが、春一番の発表は地域によって以下のような条件を基本にし、総合的に判断しています。

・立春から春分の間
・日本海に低気圧(低気圧が発達すればより理想的)
・関東地方における最大風速が、おおむね8m/s以上の南よりの風が吹いて、昇温した場合

具体的には東京において、最大風速が8.0メートル以上、風向は南より(西南西~東南東)となります。

北海道に春一番がない理由

北海道に春一番がない理由、それは気候の特性が大きく影響しています。
いくら北国とはいえ、北海道でも立春から春分までの間に気温が高くなり、春一番のような暖かく強い南風が吹くことはあります。ただ、その後また冬型の気圧配置に戻って上空には寒気が流れ込み、北よりの風になって再び冬の寒さが戻ってくることが多いのです。
そのため、北海道では「春一番」が気候になじまず、発表がありません。なお、東北や甲信、沖縄地方でも、春一番の発表はされていません。

北海道には「雨一番」がある!

春一番がない北海道ですが、代わりに「雨一番」というものが存在します。
「雨一番」とは、北海道など北国で立春後に、その年初めて降る雪がまじらない雨のことをいいます。春一番と違い、気象庁による正式な発表はありません。

降るものが雪から雨へと変わり始める時期になりましたが、日本海側などまだ雪の多く残る地域では、雪解けによるなだれや屋根からの落雪に十分注意し、外出の際は軒下など歩かないように心がけてください。