キャンプは夏だけという方も多いかもしれませんが、冬のキャンプでは星の観察や、焚火の暖かさなど、夏とはまた違った楽しみ方ができます。また、虫も少ないので、虫が苦手な方にはお勧めの季節です。冬の天候の特徴を知り、今年は冬キャンプに挑戦してみてはいかがでしょうか。

※新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響で外出の自粛を呼び掛けている自治体がある場合は、各自治体の指示に従いましょう。

この記事の写真をすべて見る

冬の天候

■冬型の気圧配置

一般的に冬の日本付近は、西に高気圧、東に低気圧という「冬型の気圧配置」となり、日本海側では北からの風が吹くため、くもりや雪が多くなります。日本海側から湿った空気が山を越える際に、空気中の水分が失われ、カラカラに乾燥した空気が太平洋側に流れるため、太平洋側は晴れて乾燥します。関東は空気中に含まれる水分が少ないため、空が澄んでおり、昼間は遠くの風景が、夜には星空が見やすくなります。

ただし、晴れていると、翌日の朝は地表面の熱を空へ放出する「放射冷却」 の影響で、気温が下がります。雲で覆われていると、雲の断熱効果で熱が空に逃げず、気温が下がりにくくなりますが、雲がない場合は、熱が逃げていくのです。そのため、日中は日射で暖かい場合も、翌日の朝はとても寒くなります。防寒対策はしっかりとしていきましょう。

■乾燥

関東の湿度は低く、空気が乾燥しています。冬のキャンプでは焚火で暖をとることが多くなりますが、火の取り扱いには細心の注意を払いましょう。風が強い日は、近くの木や、服などに火が燃え移る恐れがあります。冬場は起毛している暖かい服装の方が多いかと思いますが、フリースなどの起毛は燃えやすいので、避けたほうが良いです。またダウンは軽くて暖かいのですが、火の粉が飛ぶと穴が開いてしまいます。アウトドアショップなどでは、防火素材のエプロンやジャケットが販売されていますので、燃えにくい素材の服装で安全にキャンプを楽しみましょう。

■南岸低気圧

冬の太平洋側は晴れる日が多くなりますが、南岸低気圧が予想されているときは注意が必要です。南岸低気圧はその名の通り、日本の南側を東に進む低気圧です。この低気圧は太平洋側に雨や雪をもたらす場合があります。雨になるか、雪になるかは、そのときの上空の気温次第ですが、天気が崩れる可能性が高いため、天気予報で南岸低気圧の確認をしましょう。太平洋側では、雪に慣れていないため、少しの積雪でも道路での事故などが起こる可能性があります。また雪の中のキャンプの場合は、マットを2重にするなど、より一層の防寒対策が必要になります。

冬キャンプのおすすめ料理

■鍋

寒い時期には鍋がおすすめです。冬キャンプが初めての方も準備がしやすく、体も温まります。

カット野菜を使用したり、自宅で食材の準備をしたりしておくと、寒い中素手で野菜を切らなくて済みます。あとは材料を入れて茹でるだけなので、私は冬キャンプだけでなく、登山のテント泊でもよく作ります。夏はバーベキューをする方が多いかと思いますので、冬ならではの鍋はぜひおすすめしたい冬キャンプ料理です。

■燻製

簡単に凝ったものを作りたい場合は燻製がおすすめです。

寒さで、手袋を外して細かい作業をするのが辛い時期のため、手袋を着けたまま作れるのもポイント。私もこの冬に燻製に挑戦してみました。燻製器はキットを用いて、お手軽に始められます。今回、ゆで卵、チーズなどを準備しました。当日はキットを組み立てて、網に材料を載せ、燻製チップに火をつけて、2時間ほど燻製すれば、出来上がります。燻製中は、テントの中から見守っていればよいので、寒い時期にもぴったりです。市販のものより、燻製の風味が濃いような気がしました。燻製チップの種類を変えると、また違った味わいになるので、食材も変えて試してみようと思っています。

冬はキャンプ場が閉鎖している場合が多いため、最新の情報をキャンプ場のHP等で確認しましょう。冬のキャンプに慣れていない方は、天候に関わらず、テントでなくコテージにして、食事だけ外で楽しむなど、過ごしやすい方法で、始めてみるのも良いかもしれません。 また乾燥しているので、火の取り扱いには十分注意し、キャンプ場の指示に従いましょう。