いよいよ3月に突入です。この先、天気はめまぐるしく変化しますが、日一日と春の気配を感じることでしょう。ぜひ食卓にも春を見つけて楽しみましょう。そこで今日は旬の「デコポン」のお話です。
まず、本日1日は「デコポンの日」! ご存じでしたか?
最近ではすっかりおなじみとなったデコポンですが、市場に出まわったのは今から26年ほど前のこと。
ですから比較的新しい果物といえます。まだまだ知らないデコポンに関するトリビアと、おいしいデコポンの選び方についてお教えします。

3月1日は「デコポン」の日。26年前のこの日、デコポンが初めて市場に出荷されました
3月1日は「デコポン」の日。26年前のこの日、デコポンが初めて市場に出荷されました
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デコポンの日

「デコポン」は1991(平成3)年3月1日に本県から初めて市場に出荷されました。2006(平成18)年、初出荷から15周年を迎えた記念に、日本園芸農業協同組合連合会がその日を『デコポンの日』として制定し、日本記念日協会に登録しました。

デコポンとは

清見(きよみ)とポンカンの交配種。1972(昭和47)年、長崎県にある農林水産省の果樹試験場で誕生しました。その後、熊本県宇土郡不知火町(=現・宇城市)に伝わり、品種名「不知火(しらぬい)」として栽培の取り組みが始まりました。正式な品種名は「不知火(しらぬい)」であり、「デコポン」は、熊本県果実農業協同組合連合会が所有する登録商標です。
「デコポン」は、全国統一糖酸品質基準を持つ日本で唯一の果物で、その基準は「糖度13度以上、クエン酸1%以下」となっています。それをクリアし、JAを経由した「不知火」だけが「デコポン」として出荷されます。つまり、「不知火」は全国の主なみかん産地で生産されていますが、独自に出荷している農家は「不知火」として出荷しなければなりません。最近では、オリジナルブランドとして出荷する農家も見られます。

熊本県の不知火町で本格的な栽培が始まりました
熊本県の不知火町で本格的な栽培が始まりました

デコポンを食べよう

デコポンの特長は何といってもその形にあります。
凸は発芽期から開花までの昼夜の温度差が大きい場合に発生すると考えられ、樹齢が若いものほど出やすい傾向にあります。このため、ハウス栽培のデコポンは、立派な凸をもつものが多いようです。逆に凸がほとんど見られないものもあります。
市場では凸が小さいものは「デコポンらしくない」「味が悪そう」と敬遠されがちですが、実はこの凸のあるなしは、味や品質にはまったく関係がありません。
おいしいデコポンを選ぶ際のポイントは以下の3つです。
【おいしいデコポンの選び方】
①濃い橙色のもの
②ヘタ周辺に青みが残っているもの
③皮のキメが細かいもの
最後に、デコポンの主な栄養についてご紹介します。
【デコポンの主な栄養素】
◎ビタミンC
免疫力を高め、風邪予防などにも効果が期待できる。
◎クエン酸
疲労回復効果と血液浄化に期待が持てる。
◎βキチンキトサン
体内で発生する有害物質を吸着して、体外に排出する効果が高い。がんを抑制する効果が期待されている。
◎ペクチン
じょうのう膜に含まれる水溶性食物繊維。コレステロール値や血糖値の低下や便秘解消などの効果が期待できる。
── デコポンはみかんのように簡単に手で剥くことができ、大切な栄養素が含まれているじょうのう膜も一緒に食べられるので、手軽に栄養補給できます。旬の今こそ、デコポンをぜひ!

外皮が剥きやすく食べやすい。食物繊維が豊富なじょうのう膜も一緒に食べよう
外皮が剥きやすく食べやすい。食物繊維が豊富なじょうのう膜も一緒に食べよう