婚約発表後、2017年11月27日、ロンドン西部のケンジントン宮殿で写真撮影に臨んだヘンリー王子とメーガンさん。この日から7年8カ月が過ぎた(photo AFP/アフロ)
 
婚約発表後、2017年11月27日、ロンドン西部のケンジントン宮殿で写真撮影に臨んだヘンリー王子とメーガンさん。この日から7年8カ月が過ぎた(photo AFP/アフロ)
 

ヘンリー王子の最高広報責任者がロンドンに

 眺めの良いテラス席に座った3人とは、チャールズ国王の広報担当官トビン・アンドレア氏、ヘンリー王子の最高広報責任者メレディス・メインズ氏、ヘンリー王子夫妻のイギリスの広報チームのトップ、リアム・マグワイア氏だ。ウィリアム皇太子(43)の広報関係者の姿はなかったが、メレディス・メインズ氏がロサンゼルスからやって来たことに驚きが広がった。

 会合は先日のBBCのヘンリー王子のインタビューを受けてのものと思われる。インタビューで王子は「私は王室との和解を求めるのに、国王は話しもしてくれない」と訴えたのだ。チャールズ国王は、王子がメンタルを病み「何らかの自傷行為に走るリスクを心配している」と言われている。3人のトップ広報官を会わせることで、何らかの解決策を導き出したかったのではないだろうか。

 だが逆に、今回の会合では、王子の王位継承権や一家の称号剥奪など、厳しい措置を話し合ったとの説も飛び交う。

 最も多い反応は、チャールズ国王がヘンリー王子一家を「王室復帰させるつもりではないか」との懸念だ。実際、国王は、会合を「ヘンリーとの和解の第一歩として歓迎する」と位置付けている。メディアの中には「和平サミット」と名付ける向きもある。しかし、それに対して「メーガンはもともと手におえない状態だった。王室復帰させると自分たちの勝利と捉え、何を要求するか見当もつかない」「国王がヘンリー王子に屈することがあれば、国民は国王の退位とウィリアム皇太子の戴冠を求めるだろう」「王子は経済支援を求めているのだ。王の孫を養育するには多額の費用が必要。経済支援がないと、あなたの孫が安全でなくなると主張するだろう」など辛辣な声が寄せられている。

2025年7月13日、ウィンブルドン選手権大会の会場に到着したウィリアム皇太子一家(photo ロイター/アフロ)
2025年7月13日、ウィンブルドン選手権大会の会場に到着したウィリアム皇太子一家(photo ロイター/アフロ)

「皇太子は冷淡で頑固」と批判も

 一方、和解に向けて動き出した国王とヘンリー王子に対して、ウィリアム皇太子は、「ヘンリーの不満は優先事項ではない」「ヘンリーは王室への攻撃を完全に止めると証明する必要がある」とする。それに対して「皇太子は冷淡で頑固だ」と批判する声も上がる。

 今回の会合はヘンリー王子とメーガンさんの離婚に関するものとの推測もある。もし離婚となれば王子は多額の慰謝料や養育費を要求され、長く苦しい裁判が続くだろう。 次に王子がロンドンに姿を見せるのは、9月のウエルチャイルドの授賞式だ。その時この会合が実り国王と王子の再会が実現するかもしれない。

(ジャーナリスト・多賀幹子)

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