百田夏菜子さん(左)、ハマ・オカモトさん(撮影:写真映像部・松永卓也)
百田夏菜子さん(左)、ハマ・オカモトさん(撮影:写真映像部・松永卓也)
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 ももクロのリーダー・百田夏菜子さんがホストとなり、月替わりのゲストとトークを繰り広げるAERAの対談連載「この道をゆけば」。今号は、ハマ・オカモトさんとの3回目です。30代になって心境に変化があったというハマさん。理想とする自分に近づくためにはどうすべきか、自身の経験と重ねながらじっくり語ります──。AERA2025年7月21日号より。

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百田:私も30代になったので「もうちょっと心に余裕を持ちたい」と思うんですけど、「フレッシュさを忘れたくない」っていう気持ちもそれと同じくらいあって。ハマさんは30代になってから考え方が変わったりしましたか?

ハマ:いろいろ変わったと思うけど、一番は「丸くなった」ということですね。もうね、20代前半の頃とかひどかったから。

百田:どんなふうに?

ハマ:例えば、写真撮影でカメラマンさんから「じゃあ次は笑顔で!」とかリクエストされるでしょ? そうしたら後ろにいるマネジャーさんに向かって「これ、笑わなきゃいけないの?」って真顔で聞いたり。感じ悪いよね〜。

百田:はい、だいぶ(笑)。笑顔が苦手だったんですか?

ハマ:苦手ではないけど、自然現象だし、人に言われてやることじゃねえだろ?って。誰にでも生意気な時代ってあると思いますけど、ご多分に漏れず僕にもあったんです。

百田:意外です。今日の撮影では率先して笑っていたのに……。

ハマ:ははは! 許容範囲が広がって、場を楽しむことが上手になったんでしょうね。折れるとか妥協するとかじゃなくて。

百田:なるほど。

ハマ:とはいえ、当時の僕にとってはあれが正解だったと思う。あの感情を今も覚えているから、下の世代のミュージシャンとも感覚をすり合わせていけるし。

百田:私も20代の頃よりは余裕を持てるようにはなった気がしますが、余裕があったらあったで「こんな感じで大丈夫かな?」って心配になったり。「こういう自分になりたい」っていう理想はありますが、なかなか難しいです。そろそろ緊張しなくなりたいのですが……(笑)。

ハマ:難しいですよね。たぶん、第三者の目線をより受け入れていくほうが、結果的に理想の自分に近づけるんだと思う。いくら自分が「緊張で震えそう」とか「余裕だな」と思っていたところで、人から見られるのは「どう立ち振る舞えているか」だけだから。つまり、自分の中で主観と客観をいかに調和させるか?っていうことなんですけど、若い頃って人の意見を受け入れるキャパがないんですよね。

百田:そうですね。

ハマ:でも、そのうち受け入れられるようになりますよ。昔の自分の映像とか見て「このチャレンジングな感じ、いいっちゃいい」とか。

百田:本当ですか? 私はなかなか見返せないです(笑)。

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