
「Dreams on Ice 2025~フィギュアスケート日本代表エキシビション~」が6月27~29日に行われた。7月1日には新シーズンが始まるというタイミングで、日本代表の選手たちが新プログラムを滑った。特に五輪シーズンである今季は、どのスケーターもとっておきの曲を選んで臨んだ。AERA 2025年7月21日号より。
【写真】坂本の親友である樋口新葉 苦しさも喜びも人一倍味わってきた
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ショー後半から、男女シングルの五輪代表候補として有力な選手たちが登場。女子は、松生理乃(20)、千葉百音(20)、樋口新葉(24)、坂本花織(25)が滑った。
松生は、昨季のフリーをアレンジした新ショートプログラム「Lux Aeterna」(ローリー・ニコル氏振り付け)を披露。2020年全日本ジュニア選手権で優勝し、同年の全日本選手権でも4位に入り、期待の若手として注目された。しかし、22年北京五輪代表選考会だった21年全日本選手権では実力を出し切れず7位で、五輪出場はならなかった。
苦しさも喜びも人一倍
その後体調不良などで苦しんだ時期を経て、昨季は復調。シーズン前半のグランプリシリーズ上位6人が出場するファイナルに進出、全日本選手権では5位に入り、四大陸選手権代表にも選ばれた。この日も持ち味である氷に吸いつくようなスケーティングで観客を魅了した松生は、2度目の五輪シーズンを迎える。
ショートプログラムに和風の曲「さくらさくら/Sakura」(ギヨーム・シゼロン氏振り付け)を選んだ千葉は、新たな魅力をみせた。持ち前の伸びやかなスケーティングで魅了しつつ、日本舞踊とコンテンポラリーの動きが入り交じる振り付けを踊りこなした。
ジュニアスケーターとして出場した23年四大陸選手権で3位に入り頭角を現した千葉は、23‐24シーズンにシニアに転向。そのシーズン前半は体調不良のため力を出し切れなかったものの、運動誘発性ぜんそくと判明し治療を開始してからは調子が上向いた。24年四大陸選手権では優勝、同年世界選手権では7位と結果を残す。昨季はグランプリファイナルで銀メダル、世界選手権では銅メダルを獲得し、世界トップクラスのスケーターになった。ひたむきに、生真面目に進み続けてきた千葉は、初の五輪出場を目指す。
樋口は、自らのスケート人生を表現するショート「My Way」(ジェフリー・バトル氏振り付け)をエモーショナルに滑った。
