子育て中は、ずっと仕事をセーブしていた俳優の瀬戸朝香さん。イギリスに留学した15歳の長男と11歳の長女の現地での生活が落ち着き、今年から本格的に仕事を再開しました。はじめのうちは、子どもたちが離れて「さびしいし、心配でたまりませんでした」という瀬戸さん。お子さんたちを送り出す経緯から成長を感じる瞬間など、子育てのお話を聞きました。※後編<瀬戸朝香に聞く“思春期”長男との関係 「『きも』『うざ』とつっこみをいれられることも。これも成長の過程」>に続く
【写真】15歳、デビュー当時の瀬戸朝香さんや、ふたりのお子さんのショットなどはこちら(全4枚)「お兄ちゃんといっしょの学校に行きたい」と娘が言い出した
――今高校1年生の息子さんは、中学に進学するタイミングで留学されました。
長男は、11歳のころに留学を決めました。中学進学にあたり、受験や留学などいろいろな選択肢があることは知っておいてほしくて、時間をかけてきちんと話しました。
はじめのうちは「いや、普通に日本の学校に行くよ」とまったく興味を示しませんでした。そもそも、家族と離れることは頭になかったようです。ところが、だんだん「ちょっと興味がある」と言い出し、最終的に「行きたい」と自分で決めました。なにより「楽しそう」という気持ちが強かったですね。
その選択肢を提示したのは親なのですが、まさか本当に決めるとは思っていなかったし、そんなつもりはなかったというのが本音で……。「よし、がんばれ!」と応援したい気持ちとさびしさが入りまざり、内心とても複雑でした(笑)。
入学式は現地まで行って出席したのですが、私が帰国するときも涙を見せず「バイバイ」と手を振りました。その後、オンラインで連絡を取り合っていたのですが「帰りたい」とか「さびしい」なんて泣きごとはひとつも言わず「すごいなあ」と思っていたのです。でも「本当はさびしくて、一週間くらい夜ベッドの中で泣いてた」と、あとになって話してくれました。中学1年生は、私から見てもまだ子ども。家族に心配をかけないように一生懸命頑張っていたのだなと思うと、その数カ月だけでもものすごい成長だと感じました。
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