でもまさか、こうやって小説を書いたりエッセイを書き続けたりすることになるとは思っていませんでした。自分でも驚きながらも、まだまだ未熟だなと感じています。

 締め切りに関しては、スケジュールとにらめっこしながら、「いつまでに始めよう」と考えたりはしますが。『私だけの水槽』の中に、締め切りがギリギリなのに全然書けなくて部屋の掃除をしてしまうという話があるのですが、多くの方に共感していただけるのではないかなと思います。

締め切りギリギリだからこそ生まれるもの

――エッセイのテーマはどうやって考えていますか

「これを書こう!」と思うというより、日々の生活をしている中で、「ふっと湧いてくる」という感じです。

 これならば今、書けるかもしれないと思ったことを、メモをせずに何日か転がしておくと、書けるという確信に変わる瞬間があるんです。

「無理をせず、自分の居心地のいい空間を作っていくことが大切」と話す松井玲奈さん

 そういう瞬間を切り取ったエッセイが『私だけの水槽』には集まっています。でも、さきほどお話したみたいに締め切りギリギリだからこそ生まれるものもあります。本当にその時の自分自身と向き合って書いていますね。

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自分から出していくもの