そういう時間が、すごく幸せだなと思うんです。ご飯を食べている時に「どう美味しいのか」、「自分が今それを口に入れて、どう感じているのか」を考える瞬間にアドレナリンが出て、すごく幸せなエネルギーが自分の中に広がる感じがします。
今、「鶏の酒蒸し」を作ることにハマっていて。電子レンジで調理ができて、つけダレもいろいろな種類が試せます。美味しいつけダレの組み合わせを考えるのが、最近の楽しみです。
心が動いた瞬間
――タイトルの『私だけの水槽』に込めた想いと、装丁デザインへのこだわりは?
自分がすごく心が疲れている時に、大きな水槽の中を魚が泳いでいるアクアリウムを表現した絵に出会ったんです。思わず立ち止まってしまうぐらい感動したんですね。そのときの、「心が動いた瞬間」っていうのがずっと忘れられなくて、是非これをタイトルにしたいなと思いました。
本の装丁も「魚が水槽の中を泳いでいるイメージ」で描いていただいたので、昔懐かしいおもちゃの中で、まるで魚が自分の手の中で泳いでいるような雰囲気がすごく気に入っています。
『私だけの水槽』の表紙を見て「懐かしい気持ちになる」と言ってくださる方もいて、同年代なんだなと思って嬉しかったです。
――本を読むのが好き、子どものころから文章を書くことも好き?
自分では、文章を書くのは得意と思っていなかったのですが、小学校の時の作文コンテストで賞をいただいたんですね。その時の担任の先生から「松井さんはすごく文を書くのが得意なんだね」と言っていただいたときから「私って、文章が書くのが得意なのかな」とは思っていました。