「丸は広島時代から好不調の波が激しい選手だったが、きっちり修正してきた。首脳陣もスタメンで輝くタイプであることは分かっているので我慢強く起用してきましたが、今年はなかなか良くなる兆しが見られない。外野は秋広、ウォーカー、梶谷隆幸、大卒2年目の岡田悠希もチャンスを与えられている状況で、丸が絶対的なレギュラーではなくなっている」(民放のテレビ関係者)

 実力を考えれば、右大腿二頭筋長頭肉離れで戦線離脱している坂本勇人と同様にまだまだ常時出場してもらわなければ困る選手だ。ただ、チームの将来や今年の成績を考えると来季以降も定位置が確約されているわけではない。過去に巨人FA移籍してきた選手の歩みを見ると、勝負の世界の厳しさを感じさせられる。横浜(現DeNA)から巨人に11年オフにFA移籍した村田修一(現ロッテ1軍打撃コーチ)は、移籍6年目の17年に118試合出場で打率.262、14本塁打、58打点をマークしたが、同年オフに若返りを図るチームの戦力構想から外れる形で退団。NPB他球団への移籍を模索したが難航し、独立リーグのルートインBCリーグ・栃木ゴールデンブレーブスに入団して1年間プレーして現役引退した。

 丸は34歳という年齢を考えるとまだまだ老け込む年ではなく、今オフにチームの戦力構想から外れることは考えづらい。FA移籍した経緯を考えると、戦力として必要とされる限り巨人で野球人生を全うする可能性が高いが、他球団の編成担当はこう語る。

「何を優先するかによって決断の道が変わってくるでしょう。今年の年俸4億5000万円からの減俸は避けられないが、お金にこだわらないなら外野が手薄でレギュラーが確約されるチームに移籍してプレーする選択肢が考えられる。退団となれば、下位に低迷している西武や5年前にFA宣言した時にオファーを出した地元のロッテが獲得を検討する可能性がある」

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