若返りが進む一方で、背水の陣を迎えているのがベテラン勢だ。ソフトバンクから昨オフに加入した松田宣浩は8試合出場で打率.111、0本塁打。開幕1軍入りを果たしたが4月14日に登録抹消されると、ファーム暮らしが続いている。広島から5年ぶりに復帰した長野久義は33試合出場で打率.225、1本塁打、5打点。得点圏打率.364と勝負強さは光るが、スタメン出場は4試合にとどまっている。チーム最年長の40歳・中島宏之は開幕からファーム暮らしが3カ月以上続いていたが、7月8日に1軍昇格。17日のヤクルト戦(神宮)で猛打賞をマークするなどバットが振れている。
スポーツ紙記者は、「3年連続V逸となれば、若手中心のチーム作りが進むでしょう。松田、長野は厳しい立場に追い込まれる。前半戦に出場機会に恵まれなかった中島は、打撃を見ると衰えた印象はない。一塁のレギュラーを張る中田翔に加えて秋広も一塁を守れるので、なかなかチャンスがないというチーム事情があった。巨人にとってはベンチに控えていると心強い戦力ですが、残り72本に迫った2000安打という大記録達成を考えると他球団に移籍したほうがチャンスはあるかもしれません」
中心選手として稼働してきた菅野、丸佳浩も今オフは大幅減俸の可能性がある。丸は広島から巨人にFA移籍し、今年が5年契約の最終年。2019、20年とリーグ連覇に貢献し、昨季もチームで唯一全143試合出場して打率.272、27本塁打、65打点をマークした。今季は守備の負担を減らすために中堅から右翼にコンバートされたが、調子がなかなか上がらない。77試合出場で打率.235、11本塁打、25打点と確実性を欠き、7月18日にファーム降格となった。