
セ・リーグは混戦となっている。阪神、広島が首位争いを繰り広げ、3位・DeNAと4位・巨人が追いかける展開に。スポーツ紙デスクは、今後の展望をこう占う。
「どの球団も混戦を抜け出す力がない。借金13を抱えている5位のヤクルトも復調気配なので大型連勝で借金を完済すれば、まだまだ優勝の可能性があります。3年ぶりのV奪回を狙う巨人は勢いに乗れそうでなかなか乗れない。秋広優人、門脇誠と若手が台頭してきているので、勝負の夏場は実績十分のベテランたちが力を発揮できるかがカギを握るでしょう」
勝利と育成の両立はたやすくないが、若手は育ってきている。菅野智之に依存していた先発陣は戸郷翔征がエースとしての地位を固めつつあり、今季は8勝2敗、防御率2.27をマーク。大卒3年目の24歳右腕・山崎伊織も7勝2敗、防御率2.71と安定感がグッと増した。横川凱、井上温大の両左腕も能力が高く先発で一本立ちすれば、投手王国を形成する未来が広がる。
野手で成長著しいのは、高卒3年目の秋広だ。開幕は2軍スタートだったが、4月中旬に1軍昇格するとクリーンアップに定着。身長2メートルの恵まれた肉体から放たれる長打力だけでなく、バットコントロールのうまさも光る。7月16日のヤクルト戦(神宮)から4試合連続アーチを放ち、2ケタ本塁打に到達。加速度的な進化で、球界を代表する強打者への階段を上っている。球際が強く、強肩の門脇は守備面での貢献度が高い。打撃で試行錯誤しているが、パンチ力はある。打席を重ねることで確実性も上がっていくだろう。他にも強肩が武器の山瀬慎之助、攻守で野球センスが光る中山礼都、高卒1年目で1軍デビューを果たしたドラフト1位の浅野翔吾、ファームで高水準の成績を残すドラフト2位・萩尾匡也、昨年頭角を現した増田陸ら将来の主力候補として期待される若手がそろう。