雪国では、冬になると新鮮な野菜が不足しがち……と思われがちですが、いえいえ、このやっかいものの雪を利用した「越冬野菜」がおいしくなる、ありがた~い季節なんです。
この記事の写真をすべて見る北海道・和寒町の「越冬キャベツ」、ただいま好評出荷中
北海道和寒町は、「和寒」と書いて「わっさむ」と読みます。旭川から北へ36キロの名寄(なよろ)盆地にある町で、その名の通り、冬はマイナス20度以下にもなるという寒さが厳しい町です。
ここで生産される「和寒町越冬キャベツ」と「和寒町雪の下キャベツ」は、平成22年に商標を取得していて、町の大きな産業の一つです。
このキャベツ、とにかく甘い!! 特に芯の部分の甘みが強く、糖度は10度以上もあります。これはミカン並みの糖度。1~2月はもっとも甘く、旭川市内のホテルにも出荷され、冬の時期限定のメニューに取り入れられています。
また、その葉はみずみずしく、パリッとした歯ごたえで、どんな料理にも合います。特にオススメはラーメンのトッピング。大きめに切ったキャベツをほかの具材といっしょにサッと炒めて、熱々のラーメンの上にのせます。間違いないおいしさです!!
1月~3月が食べごろ。通販でも購入できます。10kg(3~5玉)で2000円~3000円程度。
通販サイトはこちら ⇒ http://store.shopping.yahoo.co.jp/northmall-h/s10192.html?sc_e=afvc_shp
その名も「雪の下大根」は、甘くみずみずしく、食感はまるで梨のよう!!
北海道函館市亀田地区で生産される「雪の下大根」はその名の通り、秋に収穫した大根に土をかぶせて越冬させ、真冬に雪の下から掘り起こすという、まさに雪の下に埋まっている大根です。「雪の下大根」という名前は、平成15年につけられたブランド名で、JA函館市亀田から毎年、年間で約700トンが出荷されます。
味はズバリ、「あま~い!!」。糖度はなんと7以上。通常の大根の糖度は5程度なので、糖度7はフルーツトマト並みの甘さです。また、歯ごたえはシャキシャキとしてみずみずしく、まるで水分をたっぷりと含んだ梨のような食感です。
この「雪の下大根」、普通の大根とはまったく別物と思えるくらい、本当においしいです。煮てよし、サラダにしてよし、炒めてよし。大根おろしにしても全然からくないので、おろしだけでどんぶり一杯は食べられるかも。
「雪の下大根」をはじめ越冬大根は、好評出荷中。大きいサイズで1本150~200円程度です。
雪の下は常に0℃なので甘みが増す!! 雪の適度な水分でみずみずしい!!
北海道だけでなく、雪の多い地方では昔から、雪の下に野菜を保存するという、寒い地方ならではの野菜の貯蔵方法がとられていました。この越冬に向く野菜は、大根、キャベツ、人参、ゴボウ、ジャガイモ、長ネギなどです。
越冬野菜にとっての最適な条件は、温度が常に0℃にであること、そして、適度な水分が保たれることです。0℃という条件だけでは野菜がパサパサになってしまいますが、雪の下に埋めることで雪がほどよく解けて水分が保たれるので、みずみずしさが増すのです。
さらに、大根やキャベツには、「ジアスターゼ」という消化酵素が多く含まれていますが、雪の下に長く保存することで「ジアスターゼ」がデンプンを分解して糖分に変えるので、野菜が甘くなります。つまり、雪の下に置けば置くほど糖度が上がるというわけです。
越冬野菜は今、雪の下で出荷されるのをジッと待っています。この時期しか味わうことのできない越冬野菜。食べたことがない方は、一度お試しを。いつも食べている野菜はいったい何だったんだ!?、と思えるくらいのおいしさです。