ブライアン・カルバートソン、10年ぶりとなる東阪来日公演を開催 ハートフルなエネルギーに満ちた東京公演の模様をレポート
ブライアン・カルバートソン、10年ぶりとなる東阪来日公演を開催 ハートフルなエネルギーに満ちた東京公演の模様をレポート
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 ブライアン・カルバートソンの来日公演が、2019年3月19日に六本木・ビルボードライブ東京にて開催された。

 スムースジャズ/フュージョン・シーンを代表するマルチプレーヤー兼プロデューサー、ブライアン・カルバートソン。そんな彼が、昨年リリースした最新作『カラーズ・オブ・ラブ』を引っ提げ、約10年ぶりとなる来日公演を敢行。2009年に行われたラリー・グラハムとの共演以来となるビルボードライブのステージで、そのマルチな才能を遺憾なく発揮してくれた。

 オープニングは、2003年にリリースされた『Come on Up』より「Say What?」。ブライアンの豪快で躍動感のあるピアノ・サウンドとパワフルなバックバンドが、猛々しくショーの幕開けを告げる。「10年振りに日本に来られて嬉しいよ! ありがとう!」と、軽く挨拶しながら、10年前の公演でも演奏された「Always Remember」へ。さっきまでピアノを弾いていたブライアン、今度はトロンボーンに持ち替え、マイケル “パッチェス” スチュワート(Tp.)、エイドリアン・クラッチフィールド(Sax.)の2人と共にステージ前方に躍り出ると、客席からは大きな歓声が沸き上がった。

 続いて、最新作『カラーズ・オブ・ラブ』より、タイトルトラック「Colors of Love」を披露。柔らかなピアノの音色がロマンティックな雰囲気を醸し出す中、不意に繰り出されたエキサイティングな速弾きに一同仰天。ブライアンのプレイヤーとしての実力をまざまざと見せつけられた一幕だった。

 さらにブライアンは、演奏面だけではなく、プロデューサーとしての顔も垣間見せていた。ハッとさせられる展開のセットリストはもちろんのこと、メンバーやオーディエンスの空気を常に見定め、その都度ブレイクの長さを変えたりソロを回したり尺調整をしながら、会場のムードを物にしていく姿からは、今夜のショーをより良いものにしたいという強いこだわりが感じられた。また、それに対応するバンドメンバーのフレキシブルな佇まいも、会場に良い空気をもたらしていた。

 後半は、持ち前の美しいメロディをこれまでかと堪能できるピアノソロ「Through The Years」や「On My Mind」など、しっとりとした雰囲気の楽曲を投下していく。ここでもブライアンはそのエンターテイナー精神を余すことなく発揮。オーディエンスに背中を向けながら逆さまの状態でピアノを弾くパフォーマンスを披露し、会場の盛り上がりは一気に沸点へと到達する。スタンディングオベーションが巻き起こる中、「日本に戻って来れて良かった。愛を感じたよ!」とラストソング「Our Love」を演奏し、1時間30分に及ぶハートフルなステージに幕を閉じた。

 ブライアン・カルバートソンは、本日20日にビルボードライブ大阪でも公演を行う。彼の愛とこだわりに溢れたステージを、この機会に是非。

Photo:Yuma Totsuka

◎公演情報
【ブライアン・カルバートソン】
2019年3月19日(火)※終了
ビルボードライブ東京
1st ステージ 開場17:30 開演18:30
2nd ステージ 開場20:30 開演21:30

2019年3月20日(水)
ビルボードライブ大阪
1st ステージ 開場17:30 開演18:30
2nd ステージ 開場20:30 開演21:30