きょう17日(水)昼前、富山県魚津市で「上位蜃気楼」が観測されました。「上位蜃気楼」は春の蜃気楼とも呼ばれます。冬によく見られる「下位蜃気楼」とは異なり、魚津などの限られた地域で、しかも年に10回程度しか出現しない珍しい現象です。
富山湾で「上位蜃気楼」出現
きょう17日(水)昼前、富山県魚津市で「上位蜃気楼」が観測されました。「上位蜃気楼」は春の蜃気楼とも呼ばれ、魚津などの限られた地域で、しかも年に10回程度しか出現しない珍しい現象です。
「春の蜃気楼」と「冬の蜃気楼」
蜃気楼とは、密度の異なる大気中を進む光が屈折し、遠くの物体が浮き上がったり、逆さに見えてしまう現象です。蜃気楼には、大きく分けて2種類あり、魚津では、上位蜃気楼を「春の蜃気楼」、下位蜃気楼を「冬の蜃気楼」と呼んでいるとのことです。
蜃気楼の正体は
蜃気楼は大気中を進む光の屈折で発生します。本来、大気中に温度差がないときは光はまっすぐ進み、風景や物体と私たちの目はに入る光は一直線に結ばれます。一方、大気中で冷たい空気と暖かい空気が重なっているなど、温度差があるときは、光は温度の低い方へ屈折し、カーブしながら私たちの目に届きます。この屈折により、風景や物体が逆さに見えたり浮いたり見えたりするのです。
いつ、どんなときに見える?
年に10回程度しか見られない上位蜃気楼は、逆転層がカギとなります。富山湾の上位蜃気楼は、冷たい雪解け水が流れ込むことで大気の下の部分が冷やされたり、陸地で温められた空気が海上の冷たい空気の上に流れ込むことで発生すると考えられています。上位蜃気楼が発生しても、実際に肉眼で観測できるのは年に5回もあるかないかとのことですので、シビアな条件となりそうです。ちなみに、下位蜃気楼は冬の寒い時期であれば毎日のように見えるとのことです。
きょうの富山県魚津市の天気
きょうは移動性の高気圧がゆっくりと日本の東へ移動しました。魚津市のアメダス観測データでは、きょうの最低気温は6.4度で、ほぼ平年並みでした。朝からは日差しがたっぷりと届き、午前11時には気温が19.3度となりました。この時間の風は、北風で、風速は3.1メートルと、魚津で上位蜃気楼が観測されやすい条件にほぼ当てはまりました。