フジテレビの音楽番組『水曜歌謡祭』が7月8日に放送。今回は「名曲タイムマシン」を中心に、世界のロナウドがサプライズ出演と、超豪華な2時間スぺシャルとして開催された。
冒頭から目を疑うような光景が飛び込んでくる。昨年に続き2年目の来日を果たした、現役にしてサッカー界のレジェンド、クリスティアーノ・ロナウドが、赤のTシャツにデニムと、ラフなスタイルで登場した。
今回は、ロナウド氏に“元気でる日本の名曲”をプレゼンするという企画で、自身もサッカー畑出身の、ナオト・インティライミが歌う「The World is ours!」からスタート。サンバ・サウンドがスタジオにラテンの風を運び、会場を熱くさせた。さらに曲後、ナオトからのリクエストで、ゲストの前園真聖と3人でリフティングをするという、夢のようなコラボが実現。ロナウドもご満悦の様子で、オープニングから超豪華な2時間スペシャルの幕開けに。
CM開けは、「名曲タイムマシン」の第一部“1986年”編。故ダイアナ妃・フィーバーなど、当時のエピソードを振り返り、少年隊やチェッカーズ、渡辺美里やTUBEなど、86年を彩ったアーティストの映像を紹介。その中から、まずはJ-AORの代表格、杉山清貴のサマー・チューン「さよならのオーシャン」と「ふたりの夏物語」を披露。細身のデニムにデッキシューズと、当時を彷彿させるファッションに、涼やかで透き通ったヴォーカルが、あの夏を蘇えらせた。共演を果たしたDAIGOも、“YYJ(夢のような時間)”と、笑いを誘いつつ絶賛を。
そのDAIGOには、今週の出張歌謡祭の会場である、上野精養軒屋上のビアガーデンから、赤い浴衣姿で登場した安倍なつみより、デュエットのお誘いを受け、急遽スタジオから移動の指令が下される。こういった演出も、80年代風の音楽番組のようで、懐かしさを誘う。
続いて、“1986年”編から、翌年の年間アルバム・チャートで首位を記録した荻野目洋子が、そのアルバム『NON-STOPPER』から「六本木純情派」と「ダンシング・ヒーロー」を披露。共演したFlowerも圧倒させられるほど、まったく劣化を感じさせない風貌と歌声、キレのあるダンスに、驚かされる。
荻野目のステージに続いては、バラエティ番組でもお馴染みとなった大友康平が、HOUND DOGのブレイク曲「ff (フォルティシモ)」を熱唱。普段見せないシンガーとしての顔と、サビ前の“えぇぇぇ”の再現に、会場のゲスト陣も拳を挙げて大盛り上がりだった。
企画「元気が出るソング」には、ゲストの藤田朋子が当時大ファンだった、タケカワユキヒデが出演。当時から現代に至るまで、受け継がれ続けている「MONKEY MAGIC」からスタートし、「ガンダーラ」、そしてEXILEのカヴァーで再熱した、「銀河鉄道999」というセットリスト。全編英語歌詞の先駆けとなった「MONKEY MAGIC」のファンク・グルーヴから、異国の夕日が滲む「ガンダーラ」、ディスコフロアが蘇る「銀河鉄道999」まで、全曲が洋楽のカヴァーのようなクオリティに、改めてタケカワの才能を感じさせられた。
CM開け、何とか会場に間に合わせたDAIGOと共に、安倍なつみとバラクーダの3人がコラボする「日本全国酒飲み音頭」を、上野精養軒屋上のビアガーデンからお届け。会場のほろ酔い客を巻き込んで、歌詞に合わせて四季折々の小道具を使いながら、「酒が飲める」の連呼を響かせた。まさにビールが飲みたくなるパフォーマンスに、ゲストの前園氏にはちょっと酷な演出だった。
スタジオに戻り、「名曲タイムマシン」の第二部“1995年”編へ。メジャー野茂の活躍や、音楽業界のバブル期だった、ミスチルやマイラバ、シャ乱Qに福山雅治等のヒット曲を振り返り、95年のミリオンセラー歌手、岡本真夜、浅岡雄也、田村直美が登場。音楽の教科書にも起用されている、岡本真夜の「TOMORROW」を、弾き語りで歌い、泣かせのメロウ「Alone」は水曜歌謡祭でお馴染みとなった、小柳ゆきとデュエット。パワフルな印象を抑え、優しい歌声で包む空間をつくりあげた。
90年代、起用された曲がミリオンヒットを記録しまくるポカリスエットのCMソング「突然」を増田貴久と共演した浅岡は、髪型も衣装も当時のまま、エヴァーグリーンなイメージそのままに、爽やかなステージを披露。一転して、パワーヴォーカルが持ち味の田村直美は、水曜シンガーズと「ゆずれない願い」をロック魂全開に高音も余裕でキメ、健在っぷりをアプローチした。
再び、スタジオにはクリスティアーノ・ロナウドが登場。“日本の元気の出る曲”第二段として、キマグレンが「LIFE」を披露。水着のダンサーとラテン・サウンドが夏らしさを強調し、今月で解散を発表したキマグレンの2人にとって、最前列でタオル回しを楽しんだり、演奏後に握手をしてくれたロナウドの存在が、最高の想い出となったはず。水曜歌謡祭一同からの歌の歓迎に、お返しとして自身が広告を務めるMGTの新商品「SIXPAD」を、プレゼント。誰もが憧れる、ロナウドの6パックが実現できる…と、渡部氏も絶賛。
「名曲タイムマシン」のラストは“2003年”編。宇多田&浜崎の2大歌姫に朝青龍の大活躍など、当時を振り返り、同年の代表曲となった、川嶋あいの「明日への扉」を鷲尾伶菜(Flower)とデュエット。続いて、妊娠6ヶ月をむかえる一青窈が、白のミニ・マタニティドレスを纏い、三浦大知と「もらい泣き」を披露した。ラストを飾るだけはあり、2人の圧倒的な歌唱力と、妊婦とは思えない一青窈のパフォーマンスに、会場の盛り上がりも最高潮をむかえた。
エンディングには、7月29日よる7時から生放送で開催される、『FNSうたの夏まつり』の出演者が発表された。また、同番組の司会は、水曜歌謡祭の渡部&森高が担当する。次回の水曜歌謡祭は、7月22日(水)よる7時57分放送。デビュー30周年をむかえる、夏の帝王TUBE等が出演する。
Text: 本家 一成
◎番組情報
フジテレビ『水曜歌謡祭』
毎週水曜夜7時57分 生放送
MC:森高千里 / 渡部 健(アンジャッシュ)