PGで追いすがる京都産業に対して、早稲田は27分に伊藤大祐(3年、桐蔭学園)がトライ(ゴール成功)。SOで試合に入り、途中からフルバック(FB)に動いてスペースを攻めるゲームプランが当たった。さらに、吉村が怪我を負いながらも貴重なPGに成功。36分、ロックのソロモネ・フナキ(2年、目黒学院)のトライ(ゴール成功)で京都産業に1点差まで追い上げられたが、辛くも逃げ切った。
今シーズン、関西学生を2年連続全勝で制した京都産業は、準々決勝で慶應義塾大学(関東大学対抗戦グループ4位)との競り合いを34-33の僅差で逃げ切って慶應戦初勝利。この試合でも攻守に激しいプレーで関東の伝統校を再び苦しめたが、9回目の挑戦でまたも決勝進出はならなかった。
一方、帝京は準決勝で対戦した筑波大学(関東大学対抗戦グループ5位)を寄せ付けなかった。10月の対抗戦での対戦時も帝京が45-20と快勝したが、前半だけなら筑波が17-12と先行している。筑波は今大会の3回戦で前々回優勝の天理大学(関西学生2位)に快勝すると、準々決勝では関東リーグ戦5連覇の東海大学を残り5分で逆転して8大会ぶりの4強入り。トーナメントを勝ち上がる中で勢いに乗ったチームの戦い振りが注目されていたが、帝京の強さばかりが目立つ試合になった。
帝京の最初のトライは11分。連続攻撃からWTB小村真也(2年、ハミルトンボーイズ)が個人技で筑波防御を崩して相手インゴールを陥れた。筑波も6分後にラインアウトのドライビングモールからWTB一口直貴(4年、星稜)が左隅へ飛び込んで追いすがる。しかし、この試合での筑波の得点はこれが最初で最後となった。帝京は25分、ゴール前のスクラムを押し込み、ナンバー8延原秀飛(3年、京都成章)が押さえてトライ。34分からはフランカー青木恵斗(2年、桐蔭学園)、WTB高本とむ(3年、東福岡)、SH李錦寿(2年、大阪朝鮮)が2分おきにトライを重ねた。高本とむと李のトライはキックオフから一度もプレーが切れない「ノーホイッスルトライ」で、このうち、李のトライは自陣で奪った相手ボールが起点と縦横無尽に攻め立て、前半で31-5と試合の流れを決めた。