ドラマ「花より男子」シリーズでイケメン俳優としてブレークした小栗。その後も、ドラマ、映画、舞台と数々の作品で主演を担った。華やかな足跡を残しながら、制作の現場に思いを致すようになったのはなぜか。

「芸能界の閉塞感が根底にあるのでは」

 と成馬さんは指摘する。

「ネットフリックスやアマゾンプライムといったオンライン映像ストリーミング配信の台頭もあって、今のテレビドラマや映画にかつての勢いはない。国内の現状を打破するには、制作する側に回っての変革しかない、と考えているのかもしれません。ハリウッド進出はそのための布石ともとれます」

「鎌倉殿の13人」の主演に決まった際には、

大河ドラマの経験は、生涯一度は体験したい……体験しなければならない……僕にとって俳優としての大きな関門であり、夢であり、挑戦であり、恐れさえ覚える覚悟の要る仕事です>

 などとするコメントを寄せた。この大仕事を終えたとき、小栗は40歳の節目を迎える。追い風に乗り続け、視野が狭くならぬよう願いたい。(本誌・秦正理)

週刊朝日  2020年2月7日号

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