「いやー、監督はどうだろう。技を教えることはできても、選手を強くさせるというのが大変ですから」

 特に女子スポーツは選手の管理が難しく、片手間にできる仕事ではないという。インタビューで「私は厳しくはできないんです」と言っていた吉田にはつらい仕事であるのは間違いない。

「日本代表の多くが同大学の選手かOG。あと2年しかない東京五輪で期待された活躍ができなかったら、どうした女子レスリング、どうした吉田、と国民栄誉賞の名声が一気に失墜。危険な賭けでもあるんです」(前出のベテラン記者)

 選手としての去就は明言してこなかった吉田。それが今回、同大レスリング部の次期監督候補になったことで、「もう引退、という見方が多くなったのは間違いないですね」(同)。

“霊長類最強女子”が恩師の不始末の尻拭いで引退決意、では寂しすぎる。(本誌・岸本貞司)

週刊朝日 2018年7月6日号

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