イラスト/赤松珠抄子
イラスト/赤松珠抄子

 50代になると、女性は2種類に大別される。「内から輝く素敵な女性」か「ずんぐり体型すら気にしないおばさん」か。50歳を目前にして、75キロ。45歳を過ぎた頃からジワジワと20キロも増え、確実にぽっちゃり以上おデブちゃん状態へ。そこで決意を新たに、人生初の筋トレに挑戦することにした。しかし、予想もしない現実に直面することに……。なんと、巷で販売されているスポーツウエアは、やせている人向けにしかデザインされていなかったのだ。ダイエットを決意した激太りアラフィフ女子、さあどうする?

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 確実にやせるために、まずは優秀なトレーナー探しから始めた。この太った身体では恥ずかしくて大手トレーニングジムには行けず、パーソナルジムしか選択肢がない。これまでも肥満治療専門医にかかったが1キロたりとも落ちなかったので、食事から運動まで総合的に指導できるトレーナーが理想だった。

 条件に合うトレーナーに出会うには、事前カウンセリングを受けるのがオススメ。無料有料いろいろあり、指導方針や相性もあるので、予算と相談しながら熟考すれば失敗しない確率が高くなるからだ。

「人生最後のダイエット」と決めて、1日に4件のジムに同じ質問をして比較検討をした。その結果、私が迷いなく納得できたのは、藤原由秀トレーナーだけだった。若手だけど、12歳の頃からサッカー日本代表で海外遠征に行ったり、5つ星ホテル「マンダリン オリエンタル東京」のフィットネスセンターでもパーソナルトレーナーをされている、という華麗な経歴の持主。順天堂大学では運動生理学を勉強されただけあって、どんな質問にも即答だったので知識の豊富さも確認、何より運動人生を歩んできているので基礎がしっかりしている。それも決め手だった。

 これで、絶対にやせるぞ! と気合を入れたものの、そうだ、着るものがない。高校生以来、スポーツと無縁で生きてきたので、Tシャツすら持っていなかった。藤原トレーナーに相談すると、

「レンタルウエアを用意しているので、どうぞ」

 と言われて見せてもらったが、半袖&短パンだった。2XLという大きいサイズまで用意があり、素材も吸汗速乾でサラッとしている。でも、丸太のような手足をトレーナーにさえ、さらす勇気は今の私には……さすがにない。

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