小中学生向けの月刊ニュースマガジン『ジュニアエラ』で連載中の「プリンス堀潤のそもそもキーワード」。今回は「GAFA」について一緒に考えます。

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 今やインターネットは調べものや買い物、音楽やゲームを楽しむのにも欠かせない存在。でも、メールの送受信にも動画を見るのにもSNSを使うのにも、たいていお金を払いませんよね。なぜこうしたサービスは無料で利用できるのでしょう?

 インターネットのサービスを利用するとき、実は、私たちはお金を直接支払わない代わりに、とっても大切な「あるもの」を企業に渡しています。お金と同じ、いやそれよりも価値の高いものとして、企業が生き残りをかけて集めているもの、それはあなたの「個人情報」です。

 インターネット上での行動はすべて記録され、データ化されていて、企業はそれをくわしく分析して活用することで、次のビジネスにつなげているのです。

 今、そうした個人情報がアメリカを中心とした、たった四つの企業に集中していることに警戒感が高まっています。それが「GAFA(※)」です。

 GAFAとは、Google、Apple、Facebook、Amazonの頭文字。Googleは検索エンジンの世界シェアが95%。1時間に平均2.3億件の検索が行われているといいます。Appleは時計など身につけて使用するウェアラブル端末の世界シェアが25%。利用者の健康情報などが常時Appleに送られています。Facebookの日常的な利用者は世界で約22億人。Amazonは世界各地で、ネットショッピング市場のトップをひた走っています。

 この四つの巨大企業「GAFA」に情報が集中することで、自由な競争が抑えられ、知らぬ間に私たちの行動が決められてしまう可能性があるとして、ヨーロッパの国々を中心に「GAFA」への規制を強化する動きが広がりつつあります。

 イギリスでは世界に先駆けて、2020年4月からIT企業に対して「デジタルサービス税」という税金をかける方針を示しています。一方、アメリカは規制に対して後ろ向きです。

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AERA編集部
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