「日本社会は会社といった組織で物事が動き、そこから排除された個人が活躍しにくい。それが今の日本の閉塞(へいそく)感につながっている最大の要因だ。VALUは様々な課題はあるものの個人の価値を評価することで、その突破口になると思います」

 小川さんは言う。

「シリコンバレーで働いていた時、『会社を100億で売却した』と自慢する人たちに対して、『それで世の中に何をしたの?』と苛立っていました。でも今の金融市場中心の経済では彼らが偉いとなる。そうした金融市場に疑問を持っています。VALUでそれを変えられないかと考えています」

 まずは多くの人に使ってもらうことを目指す。そのためにも安心して使えるルールや仕組みが必要だ。

 一方、利用者にも知識や良識が求められる。ヒカルさんらは今回の騒動を受けて活動停止に。振る舞い次第で社会的信用を損なうことになる。

AERA 2017年9月18日号