教育格差の是正にも

 RISU JapanCEOの加藤エルテス聡志さんによれば、教育格差の是正にも、タブレットに組み込まれた「AI先生」は有効だという。

 過疎化によって民間の塾がない町村が急増しているが、その一つ、沖縄県与那国町で、加藤さんらは8月末、ある実証実験を行った。

 与那国町は2011年、子どもたちの学力向上のために町営塾を開設し、東京の教育ベンチャー「フィオレ・コネクション」と提携。ビデオ会議システムを使って、東大生講師による遠隔ライブ授業を実施してきた。現在は小4から中3まで43人が通うが、遠隔授業では子どもたちの手元や細かな表情がとらえにくく、理解度を正確に把握できないのが課題だった。

 今回、RISU算数のタブレット教材で実力テストを実施。同町教育委員会の仲地秀将さんは、大きな手応えを感じているという。

「それぞれの生徒について、何がどこまで理解できているか、どこでつまずいているかが瞬時にわかることに驚きました。このデータを教育委員会や講師で共有して、9月からの授業に生かしていく。今後はぜひ、通常の授業にもタブレットを導入し、子どもたちの学力向上につなげたい」(仲地さん)

(編集部・石臥薫子)

AERA 2017年9月11日号