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「テロ等準備罪」法が可決・成立、徹夜の攻防の末

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AFPBB News

都内の国会議事堂付近で、「共謀罪」の趣旨を含む改正組織犯罪処罰法に反対する人々(2017年6月14日撮影)。(c)AFP/Kazuhiro NOGI

都内の国会議事堂付近で、「共謀罪」の趣旨を含む改正組織犯罪処罰法に反対する人々(2017年6月14日撮影)。(c)AFP/Kazuhiro NOGI

【6月15日 AFP】「テロ等準備罪」を新設する改正組織犯罪処罰法が15日朝、参院本会議で夜を徹した与野党の攻防の末に採決が行われ、可決・成立した。犯罪を計画段階で処罰できるようにする「共謀罪」の趣旨を含む同法をめぐっては、一般市民の人権が抑圧され警察による過度の監視を招く恐れがあると批判されており、国会前では抗議デモが展開され数千人が集まった。

 野党は安倍晋三(Shinzo Abe)内閣に対する不信任決議案と金田勝年(Katsutoshi Kaneda)法相に対する問責動議を提出するなど強く反発したが、安定多数を確保する与党側はこれをはねのけ、採決を行った。法案は先月、やはり自民党が圧倒的多数を占める衆院を通過していた。

 改正組織犯罪処罰法は、捜査当局がテロや重大犯罪への関与を共謀した個人・集団を取り締まり処罰できるようにするもの。

 政府は2020年に東京五輪の開催を控え、テロを防ぐためには同法が不可欠だと主張。また、国連(UN)で採択された「国際組織犯罪防止(TOC)条約」(パレルモ条約)の批准にも同法の成立が不可欠だと訴えてきた。

 当初、法案はテロや犯罪組織とは無関係のものも含む600余りの犯罪を処罰対象としていたが、改正を重ね、対象となる犯罪を270余に絞ってテロリストや組織的犯罪集団の定義を狭めた。

 しかし、日本弁護士連合会(日弁連)は改正後の内容でも、犯罪集団の構成要件を判断する際に、警察や捜査関係者の裁量にゆだねられる部分が大きすぎるとして懸念を表明。一般市民が携帯電話やインターネット上の会話を監視され、共謀罪の対象とされかねないと警告している。

「テロ等準備罪」をめぐっては、米政府の大規模な情報収集活動を暴露した米国家安全保障局(NSA)元職員のエドワード・スノーデン(Edward Snowden)容疑者や、プライバシーに関する権利の国連特別報告者のジョセフ・ケナタッチ(Joseph Cannataci)氏も批判を表明している。

 国内メディアの中には同法を、労働運動や反戦活動を取り締まり一般市民を政治犯として逮捕した戦前の「治安維持法」になぞらえるメディアもある。

 野党側は、安倍首相が友人への便宜を図ったとされる問題で批判に直面する中、同法の早期成立を目指して採決強行したと非難。民進党の蓮舫(Renho)代表は「究極の強行採決だ」「熟議の府である参院を断ち切った」などと記者団に語った。(c)AFP/Kyoko HASEGAWA


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