ところが昨年、息子に変化が現れました。「高校に進級する前に、数学と英語をもっと勉強しておきたい」と言い出したのです。「どうしたの?」と聞くと「いや、高校に上がる前にもう一度頭に入れておかないと、まずいでしょ」と今まで聞いたことのないようなことを言うのです(笑)。

 もしかすると「自分でなんとかしないといけない」とスイッチが入ったのかもしれません。子育てのスタイルは、家庭の数ほどあると思います。わが家の方法がほかのお子さんに合うとは思いませんし、これが正解かどうかもわかりません。でも、息子の場合は私ががみがみ言わないぶん、それが成長につながっているようです。「自分で考えて行動できる」ようになれば、それで私はオッケーだと思います。

イギリス留学中の息子さんとのショット
イギリス留学中の息子さんとのショット

思春期の子どもたちとの関わりを楽しんでいます

――どんどん大人に近づいていくお子さんたちと、これからどんな親子関係でありたいですか?

 長男は思春期真っ只中。私との会話もそっけない「あいづちのみ」が多くなりました。ときには私の発言に「きも」「うざ」とつっこみをいれられることもあります。これも成長の過程と受け流しています。

 娘に聞くと、学校ではほとんど話してくれないそうです(笑)。入学当初はあんなにサポートしてくれたのに、娘が生活に慣れたので距離をとっているらしく……どこか気恥ずかしさがあるのでしょうね。

 私も兄がいるんです。中学は同じ学校だったのですが、たしかに、学校ではまったく口をきいてくれませんでした(笑)。ですから「お兄ちゃんはそういうお年頃だから、おおらかに見てあげて」と娘には話すのですが、それをわかってくれる娘にも成長を感じます。でも、帰国するとふたりともよくおしゃべりしているんです。不思議ですよね。

 子どもたちが帰国すると、家族でつねに話しています。わが家のトークは、言葉づかいや話題などすべてが対等で、友達とのおしゃべりとほとんど同じ。ですから、はたから聞くと「大丈夫?」と心配されてしまうかもしれません。

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