――妹さんは、ご自身でお兄さんと同じ学校に留学することを決めたのですか。
息子と娘は、ちがう小学校だったんです。息子がイギリスの中学に行ったとき、娘が「中学は、お兄ちゃんといっしょの学校に行きたい」と言い出して、本当に驚きました。兄妹仲はとてもいいので「一度はお兄ちゃんと同じ学校に通いたい」と思っていたようなのです。
このときは、私は断固反対しました。彼女の性格から考えて、絶対にさびしくなってしまうことは目に見えていたからです。私自身もさびしい、という本音もどこかにあったかもしれません(笑)。「留学はもちろんOKだけど、今じゃなくてもいいんじゃない?」とさんざん諭したのですが……こちらも最終的に本人が「いや、行きたい」と固い決意を見せたので、娘も留学することになりました。

子どもたちに会うたびに、驚くほど成長している
――娘さんは、ホームシックにはなりませんでしたか?
しばらくの間、大変でした(笑)。入学式では「こんなにさびしいと思わなかった。帰りたい」と最後まで泣いて……とはいえ、まさか連れて帰るわけにもいきません。「だから俺、ムリだよって言ったのに」という息子に「妹をちゃんと支えてよ、支えてね!」と託して、後ろ髪をぐいぐい引かれながら帰国しました。
その後はオンラインでやりとりをしていたのですが、しばらくは「帰りたい」と泣いていることが多かったですね。夏休みは2カ月帰国したのですが、戻る際は案の定「行きたくない」と泣いていましたし。
そんなわけで、昨年はなにをしていても頭の隅に娘のことがあって、つねに心がざわついていました(笑)。突然泣きながらオンラインで電話をしてきて、私も泣きたくなる気持ちをこらえて「どうしたー?」とぎりぎりまで話を聞いたことも何度もありました。
でも……。やっぱり、子どもってすごいんです。入学式のあとはひと月くらい泣いていて、夏休みの帰国後は1週間、冬休み後は3日間。
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