2つめの理由は、観点ごとの評価をよく見るようになるからです。子どもも保護者も評定があると、(3段階評定の場合)「3が〇個」と数えがちになります。でも、評定がないと、観点ごとの評価を見るようになります。
そして次に、観点ごとの評定で「Aが〇個」と数えます。安易なのは変わりませんが、「3が〇個」より「Aが〇個」で数えるほうが、数が増えるので、嬉しさも増えます。3の評定が全くない子どもも、Aの評価はどこかの教科でつくかと思います。勉強が苦手な子どもにとって、評定がない形式の通知表が一番、落ち込まないのです。
通知表の形式は、学校ごとに決められます。出さない学校もあります。子どもにとって、親御さんにとって、教師にとって、どのような通知表のカタチがいいか常に考え、検討し、改善し続けることが大切だと思います。
(文/松下隼司)
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