子どもや保護者にとっての評定の解釈の仕方はとても簡潔です。3は「良い」、2は「普通」、1は「悪い」です。

 3段階評定だとあと一歩で「3」の評定がつかずに、「2」ばかりの評定になることもあります。そして、「2」ばかりの通知表を受け取った子ども(保護者)は、自分(わが子)のことをどう思うでしょうか? きっと「普通か…」と思うはずです。

 私も中学生の息子がいますが、「2」では「がんばったね」と正直、褒められません。 

 でも、3段階評定で最高評価の「3」に届かなかった子どもでも、5段階評定だと救われることが多くあります。最高評価の「5」はつけられないけれど、「4」はつけられるからです。

 子ども(保護者)にとって5段階評定は、5は「とても良い」、4は「良い」、3は「普通」、2は「少し悪い」、1は「とても悪い」です。3段階評定よりも5段階評定のほうが、「普通」よりも「良い」評定が多くなり、励みになるのです。

 教師目線でも、通知表は5段階評定がいいと考えます。

 通知表の評定は3段階がいいのか5段階がいいのかを考えるとき、教師自身の仕事の評定に置き換えてみるといいと思います。

 仕事の評定をされる場合、3段階と5段階、どちらがいいですか?そして、もしご自身が管理職(校長先生)だったら、どちらがいいですか?

 私は断然、5段階がいいです。「5」はつけられなくても「4」はつくかもしれないからです。「3」だとショックだからです。自分なりに仕事をがんばってきたのに、普通か~と残念に思うからです。

評定がない通知表のメリット

 A・B・Cの観点別評価だけで、3・2・1の評定がない通知表の学校に勤めたこともあります。

※学校によって異なります
※学校によって異なります

 私はこの3・2・1の評定がない形式の通知表が子ども(保護者)にとって、一番いいと考えます。 

 1つめの理由は、評定がある形式の通知表よりも、教科に対してのレッテルを貼らなくなるからです。

 国語で3段階の評定で「3」がつくと「得意」、「2」がつくと「普通」と安易にレッテルを貼ってしまうケースがあります。必要以上に教科に対して、苦手意識や諦めをもってしまう子どももいます。でも、評定がないとそのデメリットが軽減されます。

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