どんな子におすすめ?

 小ぶりで薄い本ですが、その分やや文字が小さいので、初めて幼年童話をひとり読みするという子には、少しハードルが高いかもしれません。ただページ数はそこまで多くないですし、お話も面白く、挿絵もたくさん入っているので、何冊か幼年童話を読んだことのある子ならすらすらと読めてしまうはず。『セーラと宝の地図』は、日常を描いたほのぼのしたお話よりも、冒険ものが好きな子におすすめの一冊です。

『チュウチュウ通り9番地 セーラと宝の地図』(エミリー・ロッダ 作/さくまゆみこ 訳/たしろちさと 絵/あすなろ書房 刊)
『チュウチュウ通り9番地 セーラと宝の地図』(エミリー・ロッダ 作/さくまゆみこ 訳/たしろちさと 絵/あすなろ書房 刊)

 このシリーズの何よりの魅力は、個性豊かな登場キャラクター。見返しに描かれたチュウチュウ通りの地図や、目次のあとについている「チュウチュウ通りのゆかいななかまたち」紹介ページを見れば、シリーズの他の作品も読んでみたくなることでしょう。

 1番地から順番に読むもよし、9番地から読むもよし。ただしシリーズ最終巻の10番地だけは、最後に読むのがオススメです。1冊読むと、他の巻も読んでみたくなるシリーズなので、幼年童話にハマるきっかけにもなるかもしれません。シリーズ10巻読破すれば、ひとり読みへの大きな自信につながりますよ。

【絵本の次に読みたい童話】ペンギンの男の子がはじめての飛行機でひとり旅! 知らない世界へと飛び出す勇気をくれる物語
セーラと宝の地図 (チュウチュウ通りのゆかいななかまたち 9番地)

エミリー・ロッダ,さくま ゆみこ,たしろ ちさと

セーラと宝の地図 (チュウチュウ通りのゆかいななかまたち 9番地)
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加治佐志津
ライター 加治佐志津

新聞記事やWEBメディアの編集・執筆を経て、2009年よりフリーランスライターに。絵本と子育てをテーマに取材・執筆を続ける。これまでに取材した絵本作家は100人超。漫画家の夫と2013年生まれの元子鉄の3人暮らし。

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