学習のサポートで「文章題」には手を出さない!?
yuu:小学生を持つ親は学習面の見守りも課題です。どう手助けするといいでしょう?
高濱:学習塾のプロの立場から言うなら、可能であれば外注を使ったほうがいいと思います。なぜなら、親が「文章題」を見てあげることから不幸が始まるから(笑)。
漢字練習や計算問題、知識を覚えるような学習は見てあげても大丈夫です。そういったものはやれば習得していけるので。ところが、子どもの文章題の分からなさって、親は見ていると腹が立ってきてしまうんです。
yuu:わかります。「ここに書いてあるでしょ!?」なんて言ってしまったり(笑)。
高濱:「学校の授業ちゃんと聞いてるの?」なんて言ったりね(笑)。愛情があって子どもを一生懸命見るあまり、余計なひと言を言ってしまう。そこには、「自分は親としてちゃんと教えているのに」っていう心理も働いている気がします。ただ、それで子どもを傷つけてしまったら悲しいですよね。
yuu:少ない時間で無理をして見ようとすることから、ミスコミュニケーションが起きてしまうんですね(苦笑)。
高濱: それと、文章題とは別に思考力を問うような問題って、じつは奥が深くて、要点をつかんでアイデアを出して新しい発想を出さないといけない。うちで出している「なぞぺー」がそうです。これも少ない時間でのサポートが難しいと感じます。家庭で思考力を伸ばすなら、ボードゲームや将棋、パズル、カードゲームなどがおすすめです。もちろん子どもの向き不向きはありますが。
yuu:わが家もなぞぺーが大好きで保育園時代から愛用しています! 無理して勉強をみなくても、知的な遊びを一緒に楽しめばいいですよね。
高濱:もう一つ、子どもの知的能力に貢献できることがあるとしたら、日ごろの言葉遣い。親がどんな言葉を使っているかや、間違った言葉を使った時にすぐ訂正するかどうかで子どもの思考力は変わってきます。例えば、「定義」と「定理」の違いを理解するには言語力が必要ですよね。言語力は学力や世界観を築く土台なのです。