収納BOXに蓋をするかたちで書類が置かれた棚。細かい物が多く苦戦していました/Before
収納BOXに蓋をするかたちで書類が置かれた棚。細かい物が多く苦戦していました/Before

 5000件に及ぶ片づけ相談の経験と心理学をもとに作り上げたオリジナルメソッドで、汚部屋に悩む女性たちの「片づけの習慣化」をサポートする西崎彩智(にしざき・さち)さん。募集のたびに満員御礼の講座「家庭力アッププロジェクト®」を主宰する彼女が、片づけられない女性たちのヨモヤマ話や奮闘記を交えながら、リバウンドしない片づけの考え方をお伝えします。

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case.8  LINEが既読にもならなかった夫婦関係に変化
(夫+子ども4人/会社員)

 同じ家で同じ家族に囲まれているのに、部屋を片づける前と後では別次元の人生を歩んでいるような方がいます。

「あれ?私、捨てるの大変って言ってましたっけ?ぽんぽんゴミ袋に要らないもの入れられますよ」なんて、ちょっと前の自分も忘れて別人みたいになるんですね。今回ご紹介する女性がまさにそのタイプ。

 プロジェクト参加前、彼女の頭の中は「もう離婚しかない」。そのことばかりでした。でも最近の彼女は全然違うのです。「子どもたちが巣立ったらずっと夫と一緒にいたい」と、明るい顔で大好きな夫との未来を描いています。一体何があったのでしょうか。

 その女性は4人の子どもの母親です。家を片づける前は、メインの仕事と3つのパートを掛け持ちして働いていました。毎朝5時に起きて短時間のパートをこなし、子どもたちに朝食を食べさせて学校へ送り出し、家事を終えたら次のパート。昼食を取ったら午後はメインの仕事へ行き、終わったら帰宅して夕食作り。夜はまた別のパートに出るという隙間のない日々でした。

 夫のことを詳しく聞くと、もともと口数が少なく、お世辞にもコミュニケーション上手とは言えない感じ。忙しい夫婦はいつの間にかすれ違うようになりました。

 私が女性に出会った頃がもっともピンチの時。夫にLINEメッセージを送っても既読はつかず、夫婦は子どもを介さないと会話ができないくらい関係をこじらせていました。

 女性は彼のことが分からなくなって、辛くて、大事な相談事も一人で溜め込むように……。夫の単身赴任で溝はさらに深まり、彼女は離婚しかないと思い詰めるようになったのです。

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西崎彩智

西崎彩智

西崎彩智(にしざき・さち)/1967年生まれ。お片づけ習慣化コンサルタント、Homeport 代表取締役。片づけ・自分の人生・家族間コミュニケーションを軸に、ママたちが自分らしくご機嫌な毎日を送るための「家庭力アッププロジェクト?」や、子どもたちが片づけを通して”生きる力”を養える「親子deお片づけ」を主宰。NHKカルチャー講師。「片づけを教育に」と学校、塾等で講演・授業を展開中。テレビ、ラジオ出演ほか、メディア掲載多数。

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