今年もコロナ禍の就活は続く。イベント会場を後にする就活生/2021年4月(c)朝日新聞社
今年もコロナ禍の就活は続く。イベント会場を後にする就活生/2021年4月(c)朝日新聞社

 日大の特徴といえば、16学部ほぼすべてのキャンパスの立地が異なること。キャリア支援をできる場所が限られれば学生たちの不便につながるため、日大では学部ごとに専属のキャリア支援スタッフがついている。同大就職課課長の野口眞一さんは、その強みをこう見ている。

「立地や学問領域がいろいろあるのは日大の強みで、全学部を一堂に会して模擬面接を一緒にしたりもします。学部の垣根を越えて違う価値観に触れることで、学生たちの人間の幅が広がるチャンスにもなります」

 なかには思うように選考が進まず、キャンパスに足が向かない就活生もいる。そんな学生には、他の学生の出入りがない本部学舎で面談することもある。マンモス校でありながら、他人の目を気にすることなく相談ができる環境。こうしたきめ細かな指導に加え、校友会のネットワークも日大の強みだ。

「日大卒ってすごいな」

 日大では、年に1度、東京国際フォーラム(東京都千代田区)に16学部の学生たちを集めた就活支援行事を実施。卒業生も駆けつけ、学生たちを激励する。

 野口さんは言う。

「ぜひとも後輩を採用したいと、企業人事の方や400社で働く多くの卒業生も後輩のために協力してくださっています。先輩たちが就職先で頑張って、『日大卒すごいな』『彼らに任せておけば大丈夫』と思ってもらえていることが、今の学生の就職にもつながっていると考えています」

(編集部・福井しほ)

※AERA 2021年7月12日号より抜粋

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福井しほ

福井しほ

大阪生まれ、大阪育ち。

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