※写真はイメージです(gettyimages)
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 レジ袋有料化から1年が経とうとしている今、エコバッグを持ちながらごみ捨て用にレジ袋を購入したり、ポリ袋をもらう人たちがいる。有料化の意味とは。AERA 2021年6月14日号から。

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「レジ袋は辞退してます。店では一切、もらわなくなりました」

 こう話すのは、愛知県に住む女性(56)だ。スーパーにはエコバッグ2枚を持参、家族4人分の買い物をする。自分では「エコ意識高いほう」だと思う。ただ、あることが気になる。

「ごみ捨て用に、レジ袋がどうしても必要なんです。そのために100円均一の店でレジ袋を別途、購入しています。それってエコと言えるのか……」

 レジ袋有料化から7月1日で1年。環境省の調査では、レジ袋を辞退する人は有料化前の調査と比べ2倍以上に、エコバッグを持っている人は9割以上にのぼる。しかし一方で、手に入れたレジ袋を生活の中で再利用していると答えた人が、8割以上もいる。

「生ごみは、新聞販売店がくれるポリ袋や肉類を買うときに使う店備え付けの半透明の袋へ。それをゴミ箱にかぶせたレジ袋に他のごみとあわせてまとめ、ごみの日にはそれを自治体指定の有料袋に集約します。大きすぎず小さすぎず、かつ結べるレジ袋は重宝するんです」

■意識改革をもたらした

 辞退したところで、なくなれば当然、困ることになる。

「エコバッグを持っていながら100均で購入するときが後ろめたい。どうもモヤモヤするんですよね……」

 そのモヤモヤ、とても理解できる。そう話すのは作家で生活史研究家の阿古真理さん(52)だ。阿古さんは台所の三角コーナーの生ごみ用に、コンビニでもらう小さなレジ袋を活用してきた。それがもらいにくくなった今、魚などを買った際に入れる半透明のポリ袋を、より多くもらうようになったと言う。

「エコバッグを持参し、レジ袋をもらう頻度はかなり減ったものの、『これ、効果あるの?』と思ってしまうのは当然です」

 ただ、有料化には大きな意味があったと、阿古さんは話す。

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小長光哲郎

小長光哲郎

ライター/AERA編集部 1966年、福岡県北九州市生まれ。月刊誌などの編集者を経て、2019年よりAERA編集部

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