※SDGsファンド、ESGファンド、SRIファンドのいずれかに該当する投資信託を、ファンド規模を表す純資産総額でランキング。データは2021年4月30日現在。純資産総額は100万円未満を四捨五入。「どれくらい増えたか?」は分配金等も含めた実質的な利益がわかる「期間リターン」を掲載。信託報酬は年率・税込みで、実質的な運用コストの合計を掲載。信託報酬または実質コストに幅がある場合は上限を掲載。データ提供:楽天証券経済研究所
※SDGsファンド、ESGファンド、SRIファンドのいずれかに該当する投資信託を、ファンド規模を表す純資産総額でランキング。データは2021年4月30日現在。純資産総額は100万円未満を四捨五入。「どれくらい増えたか?」は分配金等も含めた実質的な利益がわかる「期間リターン」を掲載。信託報酬は年率・税込みで、実質的な運用コストの合計を掲載。信託報酬または実質コストに幅がある場合は上限を掲載。データ提供:楽天証券経済研究所

 SDGsやESGの観点から銘柄を選ぶアクティブ型投信は機械的な運用が難しいので、どうしてもコストが割高になる。信託報酬(保有中に差し引かれる手数料)は年率1.7%以上のものが大半だ。100万円の投資で年1万7千円差し引かれる計算で、軽視できない。

「ESGの、特にE(環境)の分野は結実するまでに膨大な時間を要します。私は1990年代後半、前職でエンジニアとして燃料電池自動車の開発に関わっていましたが、市販車の登場は約20年後でした」

 20年は長すぎるにしても、最低10年は保有しないと結果はわからない。

(左から)藤川太(ふじかわ・ふとし、52):生活デザイン代表、熟練のファイナンシャルプランナー。「家計の見直し相談センター」で資産形成をサポート/篠田尚子(しのだ・しょうこ、38):楽天証券経済研究所 ファンドアナリスト。リッパー社を経て2013年から現職。投信分析で国内随一の実力派(本人提供)
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(左から)藤川太(ふじかわ・ふとし、52):生活デザイン代表、熟練のファイナンシャルプランナー。「家計の見直し相談センター」で資産形成をサポート/篠田尚子(しのだ・しょうこ、38):楽天証券経済研究所 ファンドアナリスト。リッパー社を経て2013年から現職。投信分析で国内随一の実力派(本人提供)

「要するに『もうけ』を重視して買う投信ではないのです。ただ社会貢献も兼ねて投資しようという気持ちは否定しません。ESGの指数に連動するインデックスファンドなら、信託報酬0.2%台もあります」

 結論。SDGs系投信は資産運用の中核に据えるべきではない。社会貢献のためにコスト高も承知のうえで試すなら少額で。ネット上で月次レポートの組み入れ企業などを確認し、疑問を感じたら手出し無用だ。(経済ジャーナリスト・大西洋平、編集部・中島晶子)

AERA 2021年6月7日号

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大西洋平

大西洋平

出版社勤務などを経て1995年に独立し、フリーのジャーナリストとして「AERA」「週刊ダイヤモンド」、「プレジデント」、などの一般雑誌で執筆中。識者・著名人や上場企業トップのインタビューも多数手掛け、金融・経済からエレクトロニクス、メカトロニクス、IT、エンタメ、再生可能エネルギー、さらには介護まで、幅広い領域で取材活動を行っている。

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中島晶子

中島晶子

ニュース週刊誌「AERA」編集者。アエラ増刊「AERA Money」も担当。投資信託、株、外貨、住宅ローン、保険、税金などマネー関連記事を20年以上編集。NISA、iDeCoは制度開始当初から取材。月刊マネー誌編集部を経て現職

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