AERA 2021年5月3日-5月10日合併号より
AERA 2021年5月3日-5月10日合併号より

■20~30代の取引が6割

 蓮尾さんによると、コインチェックの顧客層は20代、30代が全体の6割を占め、平均的な取引金額は7万~8万円台と、少額投資が主流を占める。

 さて、仮想通貨にチャレンジするなら、どれを買えばよいのか。世界では数千以上の種類があるが、日本で買えるのは29種類。時価総額でランキングすると、ビットコインが128兆円と際立った存在感を発揮している。

 2位のイーサリアム、3位のリップルまでは時価総額数兆円以上と規模も大きく、取引も活発。株の世界でいえばトヨタ、ソフトバンク、ソニーなどの「大型株」だ。マイナーな通貨は取引量が少なく、値動きがより激しいため、上級者向けかも。

 取引を始めたい人は仮想通貨交換業者のホームページで口座開設をしよう。メールアドレスとパスワードを登録し、スマホまたは郵送で本人確認を済ませれば完了。開設後は指定された銀行口座に資金を入金すれば、売買できる。入金時の銀行の振込手数料は顧客負担だ。売買できる通貨数や取引手数料は各社で異なる。

AERA 2021年5月3日-5月10日合併号より
AERA 2021年5月3日-5月10日合併号より

 売買の仕方は「取引所取引」と「販売所取引」の2通り。

 取引所取引とは、投資家同士で売買する相対取引のこと。「1コイン何円で買う」といった指値(さしね)注文や、ハイリスクだが「いくらでもいいから買う」という成行(なりゆき)注文を出し合う仕組みだ。取引所取引の売買手数料は無料または少額に設定されている。

 販売所取引は、交換業者が提示した「この価格で売りますよ/買い取りますよ」という金額で売買する。提示価格は交換業者によって異なり、買値と売値の差が実質的な売買手数料。取引が簡単な点は初心者向けだ。(ジャーナリスト・安住拓哉、編集部・中島晶子)

AERA 2021年5月3日-5月10日合併号より抜粋

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中島晶子

中島晶子

ニュース週刊誌「AERA」編集者。アエラ増刊「AERA Money」も担当。投資信託、株、外貨、住宅ローン、保険、税金などマネー関連記事を20年以上編集。NISA、iDeCoは制度開始当初から取材。月刊マネー誌編集部を経て現職

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