夏季は鵜飼の観光客で賑わう長良川を渡る岐阜駅前行きのアンティークな名鉄岐阜市内線モ30型高床式単車。鵜飼屋~長良橋(撮影/諸河久:1967年2月26日)
夏季は鵜飼の観光客で賑わう長良川を渡る岐阜駅前行きのアンティークな名鉄岐阜市内線モ30型高床式単車。鵜飼屋~長良橋(撮影/諸河久:1967年2月26日)

 モ30型は1920年に名古屋電車製作所で旧瀬戸電気鉄道向けに5両が製造された。瀬戸線から豊川線を経て、1952年に岐阜市内線に転入している。ダブルルーフの木造車体で、当初はオープンデッキ仕様だったが、岐阜に転属してから乗降扉が設置された。台車は軸距2134mmのブリル21E高床式単台車を装備。自重6.4トン、定員40(10)名で、ブレーキは手用だった。

 ちなみに、木造単車が活躍した徹明町~長良北町3900mの路線は2005年の岐阜市内線全線廃止に先立ち、1988年6月に廃止されている。

■撮影:1967年4月5日

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諸河久

諸河久

諸河 久(もろかわ・ひさし)/1947年生まれ。東京都出身。カメラマン。日本大学経済学部、東京写真専門学院(現・東京ビジュアルアーツ)卒業。鉄道雑誌のスタッフを経てフリーカメラマンに。「諸河 久フォト・オフィス」を主宰。公益社団法人「日本写真家協会」会員、「桜門鉄遊会」代表幹事。著書に「オリエント・エクスプレス」(保育社)、「都電の消えた街」(大正出版)「モノクロームの東京都電」(イカロス出版)など。「AERA dot.」での連載のなかから筆者が厳選して1冊にまとめた書籍路面電車がみつめた50年 写真で振り返る東京風情(天夢人)が絶賛発売中。

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