※写真はイメージ(gettyimages)
※写真はイメージ(gettyimages)

 高値を更新し続ける米国株が注目されている。「バブル」を懸念する声もあるが、本当にまだ上がるのか? 「AERA Money2021春号」では、専門家への取材のもと、買うべき米国株を紹介している。

【配当しっかりの安心米国株6銘柄はこちら】

*  *  *
 
 ネットでは米国株への投資をメインに資産1億円を築き、FIRE(経済的自立による早期リタイア)を達成した個人投資家も登場。

 2020年の1年間で8倍以上も値上がりした電気自動車のテスラ株などを回転売買する「米国株デイトレーダー」も出現し、ツイッターなどのSNS(交流サイト)も大盛り上がり。
 

アエラ増刊『AERA Money 2021春号』から
アエラ増刊『AERA Money 2021春号』から

 30年以上、米国株市場を見続けてきたマネックス証券チーフ・外国株コンサルタントの岡元兵八郎さんは語る。

「米国株に対する興味の高まりは私自身も驚くほどです。でも米国株に関しては悲観的な意見は少ない」
 
 1990年を起点に30年間の米国S&P500と日経225の値動きを比較すると、日経平均株価は1989年12月末につけたバブル最高値3万8957円をいまだに更新できていない。S&P500と比べると、「もっとがんばれ!」と言いたくなるほど横ばいで推移している。
 
 米国も暴落を何度も経験した。2001年の米国同時多発テロ、2008年のリーマン・ショック。2020年のコロナ・ショックは記憶に新しい。それでも復活。30年間で約10倍まで値上がりした。

「AT&T」のポイント/米国最大の電話会社で、現在は携帯電話向け無線通信が売上高の40%近くを占める。ワーナーメディアや「ディレクTV」、スタジオ運営などメディア事業にも進出するなど、配当原資の確保にも積極的だ。※7位から14位、さらに「株価成長期待の米国株ベスト14銘柄」はAERA Money 2021春号に!
<br />
「AT&T」のポイント/米国最大の電話会社で、現在は携帯電話向け無線通信が売上高の40%近くを占める。ワーナーメディアや「ディレクTV」、スタジオ運営などメディア事業にも進出するなど、配当原資の確保にも積極的だ。※7位から14位、さらに「株価成長期待の米国株ベスト14銘柄」はAERA Money 2021春号に!

 それにしても、特に直近10年の急上昇ぶりを見ると、さすがに上がりすぎでは……と怖い気もする。しかし岡元さんは、「それは日本株投資で味わった苦い先入観による見方」とキッパリ。

「米国ではコロナ・ショック直後に国民一人一人に1200ドルが支給されました。米国の中央銀行であるFRB(連邦準備制度理事会)はかつてない規模の資金をいち早く市中に供給して、株が上がりやすい環境を整えました。その結果、企業の業績も2020年第2四半期を底に、年後半は上方修正を連発しています。2021年は前年比24%の増益、2022年は15%増益が予想されています。ここからバイデン新大統領の1.9兆ドル(約200兆円)もの経済対策も予定されているわけで、不安要因がありません」
 

著者プロフィールを見る
中島晶子

中島晶子

ニュース週刊誌「AERA」編集者。アエラ増刊「AERA Money」も担当。投資信託、株、外貨、住宅ローン、保険、税金などマネー関連記事を20年以上編集。NISA、iDeCoは制度開始当初から取材。月刊マネー誌編集部を経て現職

中島晶子の記事一覧はこちら
次のページ