■舞台はお客さんがいて始まるもの

 続けて佐久間が「水の量がすごいので途中溺れますね。降ってくる水で溺れます。雨とかがあたるところにわざと行って濡れちゃえ、みたいな」と語ると、向井が、「濡れに行くと言えば、昨日のてる兄(岩本)、水がここらへんやけど」と体の30センチほど前を指し、「自分でこうやって行ってたよね?」と水をかきわける仕草をしながら、岩本が自ら水に当たる位置に移動したことを暴露。「まあ水とともに踊ろうかなって」とクールに答えた岩本に、周囲から、「素敵ー!」の冷やかしが飛び、岩本が「やめてよ」と照れる。「Snow Manは自分らでちゃんと気持ちをほめあおうという精神でやっていますね」(向井)という、仲の良さとチームワークを強く感じさせる会見は、岩本がファンへの意気込みとメッセージを語って幕を閉じた。

「デビューさせていただいてから一発目の舞台がこの『滝沢歌舞伎ZERO』で本当にありがたいなと思いますし、舞台はお客さんがいて始まるものだと明日みんなで感じられると思うので、本当に1公演1公演を大切に、今のこのご時世のなかだけど、エネルギーとか笑顔、その輪をたくさん広げていけるようにみんなで一丸となって一歩ずつ進んでいきたいなと思っております。どうぞ楽しみに、お気をつけて劇場まで足を運んでいただけたらなと思います」

■阿部のキレ芸も

 ほか、しっとりと歌声を聴かせ「僕らは一人じゃない」のフレーズが響く新曲「One Heart」をはじめ、舞台では初披露となる「九剣士」、「Black Gold」など、第1部もまだまだ見どころが満載だが、第2部の芝居「満月に散る鼠小僧~『残した夢は、笑いあり、涙なし』~」には新しいキャラクターも。岩本扮する岡っ引きの新吉と「同じ岡っ引きで最近帳簿係から現場復帰した安兵衛」や、「あの世に行っちまった」と明かされるあべぞうの代わりに登場する「ここにきて今年は俺が犬」など見逃せない。

 さらに、自分たちで演出の提案をしたというだけあって、新たに「ちょ待てよ!」のセリフが飛び出す場面や、メンバーで最も温厚な阿部さんの「キレ芸」が見られる場面など、ファンが一層楽しめる内容や、細かな演出の変更がふんだんに盛り込まれている。

「滝沢歌舞伎 ZERO 2021」に関しては、4月26日発売の「AERA2021年5月3-10日号」でも、本誌独占写真とともにさらに詳しく紹介する。「滝沢歌舞伎 ZERO 2021」は4月8日~5月16日まで東京・新橋演舞場、6月2日~27日まで愛知・御園座で上演予定。

(編集部・伏見美雪、文中一部敬称略)

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