山本 ぼくもクイズ番組で漢字の問題がけっこう出るから、答えられるようになりたいと思って、漢字の本を読みだしたから、クイズ番組がきっかけかな。

こう ぼくも小5~6あたりで「Qさま」にハマったんだけど、当時は「Qさま」のサイトに、その前の週に放送された問題が全部載っていて、それを毎回見直して、全問解いてた。

伊沢 オレの場合はちょっと違って、中1で競技クイズといわれるクイズ研究部に入ったところから始めた。クイズ番組は見てたけど、研究部に入ったのはそれがきっかけではなくて、本当に偶然。それで研究部に入って半年後くらいには、高校の大会で準決勝まで行けたんだよね。で、「あぁ、オレはクイズのサイボーグになるんだ」と思って、そこからどんどんハマっていった。

ふくら 開成は中高一貫校だから、同じクイズ研究部にクイズ歴6年目の高校3年生とかがいるなかで、伊沢は入部半年で準決勝まで行ったってこと?

伊沢 そう。でも、当時の高校生のクイズの世界って、あまり人がいなかったの。一番大きい大会でも60~70人とか。だからちょっとがんばれば上に行けたんだよね。そういう意味で、純粋にクイズが好きで勉強したというよりは、「ここなら勝てるな」と思って始めた。

ふくら クイズより、「勝ち」がほしかったんだ。

伊沢 そう。勝てたしね、当時は。今だったら、オレなんかけちょんけちょんよ。今はクイズも本当にでかい世界になったと思います。

――みなさんは、クイズのプレーヤーであると同時に、クイズを作る機会も多いですよね。クイズを解くのと作るのって全然違うものなんですか?

山本 ぼくは普通の人よりは謎解きが得意だと思うけど、どちらかというと解くよりも作るほうが得意かな。

伊沢 解くのと作るのは別の能力だからね。

ふくら 言葉遊びが好きだったら、得意かも。

伊沢 「こういう問題だったら美しいな」っていう美的センスとか、こだわりかな。あとは、ユーザーフレンドリーかどうか。つまり、解く側が納得できる問題かどうかにこだわるのはとても大事なところだと思う。

山本 謎解きを作るって、アイデアだけが勝負みたいに思われるかもしれないけど、かなりデザイン力が求められる。うまく画像に落とし込んだり、抽象化したりするのがうまい人は、謎を作るのもうまいと思っています。

こう たとえば、作る側としてはこの絵を「鳥」って思って解いてほしいけど、これだと「カラス」って思われちゃうかもって考えて、解く側のストレスをいかに減らせるかっていうのは、アイデアよりはデザイン力だね。

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